平成19年(2007年)予算審査特別委員会
平成19年3月6日(火)
○浅野文直
私は、冒頭に1点要望いたしまして、その後4点につきまして関係局長に伺います。
初めに、私立幼稚園園児保育料等補助事業につきまして要望いたします。平成18年度は行財政改革の効果の還元として多くの補助事業が削減を余儀なくされる中、近年にない大幅な増額を見て、まだまだ厳しい子育て環境ではありますけれども、幼稚園児を抱える世帯は喜びを見ました。しかし、平成19年度予算案では同時就園条件が小学校1年生から2年生に拡大されたものの、補助単価自体にさしたる増額がなく、予算額だけを比べると平成18年度より減っているわけであります。ここら辺は、園児もふえて、条件緩和も続けている以上、減るわけはないのでありますけれども、決算比較ができれば、恐らく一目瞭然になるのかなと思いますが、父母や市民には実際に川崎市がどれだけ持ち出しをしているのか、金額の増減が見えないわけであります。新年度以降は国の補助率が3分の1から4分の1に下がり、さらにその補助金に係る調整率すら下がり続けている現状では、同レベルの補助を維持するためにすら、川崎市自体の持ち出しは大幅に増加しているわけであります。少子化問題や、川崎市では幼稚園教育を私立幼稚園がほぼ100%担っている、子育て世帯の家計が厳しいといった現実がある一方で、川崎市の財政自体も非常に逼迫しており、悩ましい問題ではありますけれども、小児医療などと並んで幼児教育の振興も捨ておけません。さらなる行財政改革に取り組み、その還元をこうした必要な補助に振り向けられますように、強く要望いたします。
続きまして、小児救急医療体制について関係局長に伺います。まず、健康福祉局長に伺いますが、新年度予算案における小児急病センターの詳細を見ますと、南部小児急病センターに約8,700万円、北部小児急病センターに約1億円が計上されています。それぞれの算定根拠と患者数の推移並びに本年度の見込み数を伺います。また、市立多摩病院の開院が休日急患診療所にどのように影響してきたのか、また北部小児急病センターにおける17時から19時の診療空白時間帯に対する対応についても伺います。市内中部地域への小児急病センター設置の声は依然として根強いわけですが、現在の中部地域の患者の病院利用をどのようにとらえているのか、また、中部小児急病センターを考えるときには、老朽化した休日急患診療所や歯科保健センターを柱とした総合医療施設の検討は避けられないと考えますが、考えを伺います。
同じく、小児救急医療体制について病院局長に伺います。事業管理者を迎え、企業会計全適用として収支改善に取り組んでいる病院局として、南部小児急病センター運営の予算措置をどのようにとらえているのか伺います。また、南部小児急病センターの救急外来のストップは1日平均何時間あるのか伺います。
次に、子育て世帯の多様な就労支援について経済局長に伺います。格差社会の要因の一つでもあります非正規社員というものは、企業の自浄的構造改革によってここ数年非常にふえております。これを何とかしていくことは大きな政治課題であるわけですが、逆に多様化する社会の中で新たな就労の場を望む声も生まれております。先日、あるIT企業の女性社長からお話を伺いました。この女性社長は、出産に伴って勤めていた会社をやめたものの、産後に保育園の入園が認められず、働きに出ることができませんでした。そして、在宅ワークを求めてハローワークへ行ったところ、門前払い。子育て中の職探しはこちらへどうぞと紹介された横浜の施設へ行ったところ、在宅ワークが紹介されるのではなく、乳母車を横に置いてパソコン端末から職探しができますよといったものであり、非常にむだ骨であった。その後、結局、自身で起業され、着実に事業を伸ばしてこられました。そして、自分と同じ境遇の子育て中ながら、在宅ワークを探している方がいるのではとの思いから、そうした種の求人をすることにしたそうです。しかし、どの施設でも、そうした在宅ワークの就労マッチングは取り扱っていない。母子寡婦福祉協議会が就労援助を行っているとのことで期待して電話をしたところ、信じられぬ対応と応答内容に、もはや任せられないということで自社単独での求人活動に変えてしまわれたそうです。こうした求人企業、求職者は少数かもしれませんが、どこに行ったらそうした案内が受けられるのか、受け皿をしっかりしておくことは時代ニーズからも必要と思われます。本市では、子育てしながら自宅でできる仕事を探している方、またはそうした方を求人したい企業、こうした方々に対して現在どのような行政窓口が用意されているでしょうか。今年度予算に計上されている経済費6款1項1目中の経済雇用対策事業費426万円ですが、こうした予算で行っている事業の中などで在宅での仕事を希望する求人企業、または求職者の受け皿になることができないのか伺います。
次に、地域包括支援センターについて健康福祉局長に伺います。地域包括支援センターも間もなく1年を迎え、ケアプラン作成の3割程度が外部委託ではあるものの、落ちついてきたように見受けられます。ただし、介護の現場にいる方からは、土日が休みであることなど、機能し切れていないなどと厳しい声が出ていることも確かであります。平成19年度予算案には、24時間の緊急対応としての夜間休日対応経費が予算計上されていますが、土曜日、日曜日及び祝日等の休日について、高齢者の相談機関としての地域包括支援センターを開設し、総合的な相談対応を行うことが必要であると考えますが、どのように対応していくのか伺います。
最後に、市民発意の新たなまちづくり制度についてまちづくり局長に伺います。人口増加が続いている川崎市においては、全市的に常に大規模マンションなどの建設が続いており、地域紛争になっているところも少なくありません。私の住む宮前区内でも、大規模マンションやスーパー銭湯の建設などで建築紛争には枚挙にいとまがありません。これらの計画は、法令に適合した計画であること、そして企業等も法令制限いっぱいに企画をして土地購入から参入しているために、周辺住宅との調和という点ではなかなか近隣住民や行政の意を酌み取っていただくことができていないのが事実であります。こうした課題に対しては、既に地区計画や建築協定といった制度があり、規制という点では効果があるわけですけれども、これらの制度活用にはかなりの時間と高いハードルの克服を必要としており、課題解決への処方せんにはなっていません。しかし、事前に地域住民が合意してそのまちのルールをつくり、これを行政が後押しする制度があれば、事業者も公のルールとしてそれに従うことも考えられます。事実、中原区井田杉山町公園東西の2町会は、平成16年、井田みすず地区まちづくり協議会を立ち上げ、まちづくりの目標、用途や高さ、建物、外構、緑化、さらには地区のシンボルである井田杉山町公園への配慮などを決め、まちづくり宣言を出しました。そして、現実に地区内に計画されたマンション開発の際、ディベロッパー企業とまちづくり宣言をもとに話し合い、計画の大幅な変更に至った実績も出しています。こうした市民発意の新しいまちづくり制度がさらに実効性を持ち、広がりを見せるためには、行政の後押しが必要と考えますが、見解を伺います。以上です。
◎健康福祉局長(入江一)
初めに、小児救急医療体制についての御質問でございますが、平成19年度の小児急病センターの予算についてでございますが、南部小児急病センターの人件費につきましては、医師、看護師のみが小児急病センターの予算に計上されており、その他の人件費につきましては、救急医療全体で積算されているため、この中には含まれておりません。一方、北部小児急病センターの人件費につきましては、医師、看護師のほか薬剤師、放射線技師、受付事務員等の委託料も含んだものでございますので、北部小児急病センターの予算の方が上回っている状況でございます。
次に、患者数の推移でございますが、南部小児急病センターにつきましては、平成16年度が1万3,662人で、平成17年度が1万4,205人であり、約4%増加しておりまして、平成18年度及び平成19年度につきましても、同程度に伸びていくものと見込んでおります。
次に、北部小児急病センターにつきましては、平成16年度が1万2,327人で、平成17年度が1万2,559人であり、約2%増加しております。また平成18年度は、平成19年1月現在で昨年の同時期に比べまして約5%減少しております。これにつきましては、市立多摩病院の開院の影響も考えられるところでございます。なお、平成19年度の見込みにつきましては、これまでの患者数の伸び率から推測いたしますと、微増するものと考えております。
次に、17時から19時の時間帯における対応についてでございますが、民間の医療機関の受け付け時間につきましては、18時30分ごろまで受け付けしているところが多くあり、また北部小児急病センターの受け付け時間も18時30分からですので、問題のないところと考えております。
次に、中部地域の病院利用についてでございますが、日本医科大学武蔵小杉病院、関東労災病院、帝京大学医学部附属溝口病院といった比較的規模の大きい救急体制の整った病院が利用されているところでございます。なお、休日急患診療所の老朽化に伴い、総合医療施設の設置を含めた休日急患診療所等の再編につきましては、平成17年3月に地域医療審議会から答申を得ております。したがいまして、この答申を踏まえまして、総合医療施設につきましては、今後、関係各機関と協議してまいりたいと存じます。
次に、地域包括支援センターの休日対応についての御質問でございますが、一部の地域包括支援センターにおきましては、ローテーション勤務により土曜日にも開所しているところでございますが、土曜日、日曜日等の相談体制につきましては、平成19年度における相談内容などの推移を見守りながら、その需要について検証し、地域包括支援センターが高齢者の身近な相談機関としての役割を果たすことができるよう、各運営法人と協議しながら対応してまいりたいと存じます。なお、緊急対応につきましては、すべての地域包括支援センターにおいて、休日も含めた24時間相談体制を確保することにしたところでございます。以上でございます。
◎病院局長(菊地義雄)
小児救急医療体制についての御質問でございますが、初めに、予算措置についてでございますが、南部小児急病センターの運営に当たりましては、健康福祉局から人件費等の経費が診療収入を上回りますので、その差額分を一般会計からの繰入金として受け入れているところでございます。平成19年度予算につきましては、小児急病センター運営経費に対する繰入金の額が減少となりますが、これは地方公営企業法全部適用後の経営努力によりまして、病院全体の診療収入が大幅に増加したことによるものでございまして、南部小児急病センターの体制は前年度と同じ内容となっております。今後、新たな必要経費が発生した場合等につきましては、関係局と協議をしてまいります。
次に、南部小児急病センターの救急外来のストップについてでございますが、病棟内における入院患者さんの容体の急変や救急の重篤な患者さんへの対応などによりまして、平成18年4月から平成19年1月までの10カ月間の小児科における救急外来のストップ時間は1日平均で約90分程度となっております。以上でございます。
◎経済局長(大谷悦夫)
子育て世帯の多様な就労支援についての御質問でございますが、現在、本市では、厳しい雇用環境にある求職者を対象に、市内企業を中心とした求人開拓を進めるとともに、個別カウンセリングにより、本人の経歴、特性、希望する就労形態などを把握した上で、求人紹介・マッチング等を行う無料職業紹介事業を実施しているところでございます。在宅での仕事を希望する方につきましても、本事業の中で個別カウンセリングにより、本人の意向を十分に把握した上で、意向に沿った求人開拓及び求人紹介を行っており、平成19年2月末現在で2名の方から求職の依頼があり、紹介を行ったところでございます。今後とも、在宅での仕事を希望する方を含め、求職者の意向に沿った就業に結びつくよう、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◎まちづくり局長(寒河江啓壹)
新たなまちづくり制度についての御質問でございますが、地域の特性に合わせたきめ細かいまちづくりのルールにつきましては、建築協定や地区計画などがございますが、地権者の合意形成に長い時間を要することなどから、もう少し活用しやすい制度ができないかという声が市民の方々にあることは御指摘のとおりでございます。このような中で、地域住民の合意形成を図りながら、市民みずからが行う自主的なルールづくりの活動を支援し、市民発意のまちづくりを育てていくような新たな制度につきましては、その必要性を認識しており、条例の制定も視野に入れながら検討を始めたところでございます。以上でございます。
○浅野文直
再質の前に、地域包括支援センターについて健康福祉局長に、ぜひ24時間体制を含めた機能を目指していただきたいんですけれども、予防介護という観点でスタートしたわけですが、これは川崎市の問題ではなくて、もともと国の問題として予防介護と言いながら、例えば実際ケアプランをつくったうちの三十数%の方がデイサービスなどの通所施設を使っていると思うんですが、何回通っても同じ金額でどうぞと。国はどうぞというんですけれども、実際に引き受ける側はそれに対して人員を用意したりとか、その日のカリキュラムをつくってやっているわけですから、実際現場の方々に聞いてみると、来たいという方を受け入れている施設もありますけれども、結構多くの施設が週1回ぐらいですよと。これでは、予防だから来てくださいというシステムが全然機能していないことになってしまいますので、ぜひ上部行政体にも事あるごとにそういった現状を伝えていただいて、改正が必要だという点を訴えていくことを御指摘しておきたいと思います。
それでは続きまして、小児救急医療体制について再度健康福祉局長に伺います。病院局長の答弁では、本年1月までの10カ月間の救急ストップは1日平均90分とのことです。ただ、その前年度の救急ストップ時間を私は試算してみましたところ、1日平均150分ありました。これはあくまで平均ですので、その年の最長の救急ストップをした日を見てみますと、平成16年10月14日971分、平成17年6月18日793分、平成18年11月22日が596分もの長時間にわたって救急ストップが起きています。救急ストップすれば、南部地域では市立川崎病院のほかに区内での受け皿がないわけですから、救急でありながら他都市へ転送することになるわけであります。小児急病センターを南北違う方式で併設してきてはや5年目であります。このまま救急ストップが出るようでは、川崎市の危機管理が問われると言えます。また、1次・2次救急を必然と受け持つ川崎病院では、入院患者への対応もあり、毎日が戦場であります。そうした側面を公立病院として持たざるを得ないとしても、継続的に川崎市の医療の中心を担っていくためには、でき得る限りの役割分担が必要であります。こうした課題への対策としては、川崎病院に安定的に医師の確保をしていくのか。または、現在の川崎病院内の小児急病センターの運営を他の病院の先生方に協力していただくのか。あるいは、川崎休日急患診療所などに新たな小児急病センターをつくるのか、選択肢は限られているわけです。早急に対応する必要があると思いますが、再度伺います。
また、中部地域の小児急病センターの整備についても、結論を出して動かないと機を逃しかねません。さきの我が党の代表質問で明らかになった武蔵小杉駅北側の約7.9ヘクタールを対象とした大規模再開発事業ですが、この中には日本医科大学武蔵小杉病院などがあるわけでありまして、ここに設置協力していただくのも一つの方法でしょうし、以前から議題となっております中原の休日急患診療所を核とした整備も一つの方法であります。選択の時期によっては、できるものもできなくなる可能性がありますので、中部小児急病センター設置についての考えも改めて伺いたいと思います。
次に、子育て世帯の多様な就労支援についてですが、経済局長の答弁では、現在実施している無料職業紹介事業の中で既にそういった求職者のニーズを受けて仕事を紹介している実績があるとのことでした。現状で実績があるということであれば、在宅での仕事を希望する求人企業や求職者にうまくPRできれば、利用件数は大きく上がるものと思われます。せっかくの事業ですから、もっと有効にPRをしていただきたいと思います。ネットで「在宅 仕事 川崎」、このように検索をかけたときに、川崎の事業が当たるような広報の充実が必要であると思いますけれども、再度経済局長に伺います。
続いてまちづくり局長に、市民発意の新たなまちづくり制度について伺いますが、答弁では、必要性を認め、検討を始めたとのことです。現在の取り組み状況と今後の予定について再度伺います。以上です。
◎健康福祉局長(入江一)
小児救急医療の対応についての御質問でございますが、急変しやすい小児の救急医療に関しましては、設備の整った病院施設内で行うことが好ましいとの小児科専門医の意見もあるとともに、小児科医の確保対策といった課題がございますので、引き続き川崎市医師会並びに関係局等と協議し、南部地域の小児救急医療体制の強化について検討してまいりたいと存じます。また、中部地域につきましては、南北の体制の状況を勘案しながら、休日急患診療所の再編にあわせて、関係機関等と協議してまいりたいと存じます。以上でございます。
◎経済局長(大谷悦夫)
無料職業紹介事業の広報の充実についての御質問でございますが、本事業の周知を図るため、市のホームページを初めポスター及びチラシを作成し、市内公共施設、ハローワーク、アゼリア等に配布、掲出し、積極的に広報しているところでございます。今後につきましては、在宅での仕事を希望する求職者や求人企業の方々が、本事業を利用できることがわかるよう、ホームページの内容をリニューアルするなど、広報の充実に努めてまいります。以上でございます。
◎まちづくり局長(寒河江啓壹)
新たなまちづくり制度の検討状況などについての御質問でございますが、現在先行する他都市の事例の研究などを行い、本市にふさわしい制度の骨格を検討しているところでございます。今後につきましては、平成19年度に学識経験者を中心とした検討委員会を立ち上げ、制度の骨格を固めるとともに、市民意見の聴取を行うなどして、制度案の策定を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○浅野文直
それぞれ御答弁いただきました。ホームページの改訂をして、新たな広報も求めていただけるようですし、まちづくりの方も制度案の制定を急いでいただけるようでありますので、ありがたいことなんですけれども、小児救急医療については、専門医の先生が、確かに容体が急変しやすいから、設備の整ったところで診ることが望ましいというのは間違いないことですし、例えば親としても、いざ子どもが病気になったときには、大きな病院で施設がしっかりしているところに連れていきたいという気持ちは確かであります。ただ、ここを余り解釈し過ぎますと、日ごろの日中の病診連携だって基本的には同じなんです。病気になったときは、だれだってしっかりした病院に、早く大きいところに行きたいという気持ちはあるわけです。ただ、これが小児だからしっかりとした設備のところでやるのがベストだという選択をもし川崎市がするのであれば、これはもう早急に川崎病院に医師の確保をお願いするしかないわけですし、そこら辺はしっかりと早急に対応していただきたい。本来は、新年度予算に向けて救急ストップ解消のために新たにこういうふうにしますということがこの議会に出てきてもしかるべきであると思います。ぜひ次以降の議会でこの場で取り上げられるときには、そういった形になるように強く要望いたしまして、質問を終わります。