○浅野文直議員 私は、自由民主党川崎市議団を代表いたしまして、ただいま御説明をいただきました新総合計画素案に対しまして、質疑をさせていただきます。
 新総合計画について伺うに当たり、まず2010プランの総括について伺います。昭和58年に策定した2001かわさきプランの実行途中において、本市を取り巻く環境条件の変化に適合すべく、平成5年に2010プランが策定されました。当時も専門家や市民から多くの意見を伺い、さらに各区での市民討議や懇談会などで検討いただいた上で策定されました。単に社会情勢を理由に新プランを策定したというのではなく、当時御協力いただいた方々のためにも、2010プランが、基本理念に基づき、どの程度課題を解決してきたのか、どこまで進捗してきたのか示すべきであります。そうしたことから新プランへ生かすべき点も見えてくると考えます。2010プランは策定当時から財源の提示がありませんでしたので、より評価を難しくしていますが、だからこそ明確にすべきであります。2010プランの検証と評価について伺います。
 次に、策定の根拠となる基本指標について伺います。これまでのプランは構想期間が長期であり、さらに社会環境が大きく変化する中で、人口や税収などの見通しは根底から覆されてしまったわけであります。そうしたことから、構想期間の短縮は理解できますが、人口動向や社会情勢分析には一層の厳しさが求められます。そこで、2010プランでは本市独自の資料に基づき策定した結果、その見通しの甘さからプランの修正をせざるを得ない状況に至ったわけですが、新総合計画を策定する上で同じ結果を繰り返さないためにも、民間のシンクタンク等の多角的分析を利用するなど、より慎重な検討が必要であると思います。
 そこで伺いますが、新総合計画を策定する上で、情勢分析と将来推計をどのように検討されたのか伺います。また、基本指標が示すとおり、本市の財政状況がこれからもまだまだ厳しいのは事実であります。また、市民と行政の責務が明確になるにつれ、行政サービスの提供も変わりつつあります。こうした中で、行政自体の厳しい改革が求められていることも周知のとおりであります。そこで、先に示され、実行されてきた行財政改革プランですが、本体の基本となる新総合計画を示すに当たっては、密接に関係するこの行財政改革プランをさらにどう発展させていくのか、市長の決意を伺います。
 次に、財政計画について伺います。川崎縦貫高速鉄道線事業や羽田空港神奈川口構想、そして国の財政改革の動向など、現時点における新総合計画の財政の裏づけは変動する要素が多くあります。しかし、少なくとも本市事業についての判断は下した上で、現法体系のもとでの計画に向けた財源を示すべきであります。同時に、計画に合わせた収支見通しと財政改革の目標を示すべきと考えますが、新総合計画における財政計画のあり方について伺います。また、新計画の実行には総額でどの程度の財源を必要とするのか伺います。あわせて、各施策の優先順位をどの時点で公表されるのか伺います。
 次に、行政の説明責任と、評価の施策への反映について伺います。この素案では、計画・実行・評価・改善の仕組みをつくり上げ、効果的な施策執行と課題解決を図るとしていますが、これこそ実効性を担保するための最も重要な仕組みであると理解します。そこで伺いますが、チェックはだれがどのような方法で行うのか、見解を伺います。また、行政の説明責任はどのように果たしていくのか、そのシステムについて伺います。
 各拠点整備と並んで広域交通幹線網の整備は、東京都や横浜市に産業振興でおくれをとらないためにも、さらには、南北に細長い川崎市内を人と物がスムーズに行き来する、活力あるまちとするためにも、なくてはなりません。大型プロジェクトの中でも大幅におくれを来している川崎縦貫道の整備を、どう位置づけ、推進していくのか伺います。
また、凍結している川崎縦貫高速鉄道線事業については、財政面や他の施策との関連からも、はっきりとした位置づけは当然であり、これまでの代表質問等でも我が党は指摘を続けてきました。川崎縦貫高速鉄道線事業の市長の政策判断及び新総合計画での位置づけを伺います。
また、快適な地域交通環境をつくるとして、バス輸送サービスの充実が挙げられていますが、バス事業の今後は、川崎縦貫高速鉄道の有無により大きく変わるわけであります。さらには、他都市の例に漏れず、管理運営面でも大きな岐路に立っていると言えます。本市のバス輸送サービスの充実とはどういった姿を描かれているのか、市長に伺います。
また、今後の都市構造のあり方として最も重要な点が広域交通ネットワークの強化であります。本市の機能強化、隣接都市との連携など、最重要課題に対する市長の見解もあわせて伺います。
 次に、基本政策のU「幸せな暮らしを共に支えるまちづくり」としてまとめられた福祉施策について伺います。新たな時代にふさわしい福祉の理念への転換と、それに伴う社会サービスの提供と選択について、具体的な展開方法を伺います。素案の中で自助・共助・公助の適切なバランスを保つとしていますが、どのような構図になるのか伺います。改正された社会福祉法では、施す福祉から選択の福祉、措置型から契約型へと大きく転換をされました。しかし、現実には、ニーズの多様化と表現されている福祉サービスへの要求も、自助の領域から一挙に公助へと転換しているケースも見受けられます。こうした社会現象の中で、市民合意が得られる福祉社会の構築をどのような方法で積み上げていくのか、また、自助の領域をシビルミニマムとして構築する考えがあるのかも伺います。
 次に、超高齢化社会が予測される今後、安心を約束する介護施策の充実について伺います。介護予防の観点から考えられる施策について、具体案をお示しください。また、きめ細やかな介護サービスの充実を図るため、地域福祉は必須条件でありますが、地域福祉を支える担い手不足が指摘されています。育成、供給についての見解を伺います。さらに、もはや特別養護老人ホームをつくるのみでは、多様な介護ニーズにはこたえられません。むしろ、在宅支援など地域福祉の充実を図るべきと考えます。住みなれた地域で安心して介護サービスが受けられる方策の一つとして、例えば、最低限中学校区に1つのグループホームの設置などが考えられるわけでありますが、見解を伺います。また、介護現場の声など、実態に即した要望こそ現実的な施策構築のかぎになると考えますが、意見集約とその反映方法について見解を伺います。
 次に、基本政策V「人を育て心を育むまちづくり」について伺います。国、地方自治体を問わず、子育て支援の進んでいるところでは出生率が高いというデータが出されています。少子化対策とは、安心して子どもを産み、育てる環境を、行政がいかに責任を持って整えられるかにあります。本市の対応について伺います。また、すべての子育てを支援する、次世代育成支援行動計画の策定に当たり、市として最も重要と考える基本施策は何か伺います。また、多様な子育てニーズに対応するためのハード、ソフト両面における施策の展開についての考え方と具体策を伺います。また、教育環境の整備について、素案にはかわさき教育プランについての言及がありません。当然リンクするわけですが、整合性について見解を伺います。さらに、学校適正規模・適正配置を目指すとありますが、学区の撤廃は選択肢にあるのか、見解を伺います。さらに、地域と共生する開かれた学校を目指す今後、施設開放、スポーツ振興を視野に入れた学校施設の活用のあり方などについて見解を伺います。
 次に、地域に開かれた、魅力あふれる特色ある学校を目指すために、さまざまな施策展開例が挙げられていますが、教育現場で最も求められるのは「人」の魅力、教員の質であります。教職員の資質向上の取り組みについて具体案をお示しください。また、適正な評価とその反省がフィードバックするシステムの構築と実行こそが、施策の遂行を担保できるものでありますが、教育委員会の指導力も含め、評価のあり方についての見解を伺います。
 子どもへの施策の充実を図るとともに重要なのが、高齢化時代、シニア世代の経験を生かす仕組みづくりであります。豊富な知識と経験をお持ちのシニアの方々が、いかに生きがいを持って地域で活躍していただけるか、市民協働の担い手として、今後どのような働きの場を提供できるのか、本市の見解を伺います。また、あらゆる世代がコミュニケーションを持つことは、地域の交流が希薄な都市部において、地域主権を目指す上でも重要であると考えますが、世代間交流を進める具体策をお示しください。
 次に、目指すべき循環型社会について伺います。近年の異常気象や環境破壊が進む中、循環型社会の構築は急がれるところであります。本市では、日本初となるゼロ・エミッション工業団地など、行政と事業者が協力して成果を出し始めたものもあります。新総合計画で描く循環型社会では、行政・市民・事業者の責任をどのように定めた上で、具体的にどういった施策を展開されるのか伺います。
 次に、緑の保全と創出について伺います。まず、都市農地の多面的な機能の活用についてでありますが、本市内の農地及び農業振興地域を含む市街化調整区域のほとんどが民有地であり、その多くが農業従事者の所有地であります。しかしながら、本市を初めとする都市農業従事世帯の現状は大変厳しく、特に市街化調整区域においての営農基盤は大変脆弱なものとなっております。こうした現状から、耕作放棄や不法建築物の増加等、良好な農地としての緑地供給がなされていない現状もあります。そうした現状を踏まえ、新総合計画案及び実行計画を策定する上で、具体的にどのように施策を展開していくのか伺います。
 次に、市民・事業者・行政の協働による緑の創出と育成についてでありますが、去る6月11日、国会において、都市緑地保全法等の一部を改正する法案が可決され、新たに都市緑地法として生まれ変わりました。この法律は、地区計画区域において緑化率規制の制度を設けることができるなどを規定したものであります。こうしたことを踏まえ、多摩丘陵の緑保全と並行し、本市内の再緑地化、特に、本市南部地域の再緑地化及び緑の創出について、条例改正も含めた施策の展開について伺います。
 続けて、多摩川の魅力を育てる総合的な取り組みについて伺います。長年にわたる治水事業については理解をいたしますが、川崎市に沿って流れる多摩川の現状は、近くに住む人にとっても親水性のある水辺とはなっていません。交通量の多い多摩沿線道路が横たわり、横断するのに危険や不便があり、視覚的にも水辺を感じられず、その存在は実際の距離よりもずっと遠くに感じます。縦長な地形により、共通のふるさと観が希薄な川崎市民共通のふるさととして、質の高い親水性緑地として、また、地域によってはまちの活性化の原動力ともなり得る多摩川の価値ははかり知れません。国土交通省の法的な規制緩和も含めた今後の可能性について、さらに多摩川全体の具体的な構想について見解を伺います。
 次に、今回素案の大きなテーマであります、市民協働・自治・分権にかかわる項目「参加と協働による市民自治のまちづくり」について伺います。基本構想素案「計画の役割」の中に、地域経営のプランが必要であるとうたわれています。その実現項目として、「分権時代の新たな自治のしくみづくり」が急務であるとの認識をされていますが、市民協働の新たな自治の仕組みとはどのようなものを想定しているのか伺います。また、自治法改正により設置が可能となった、区地域協議会を活用しての区民会議について、来年度試行したいとのことですが、具体案はあるのか伺います。また、2010プランでは各区ごとの地域整備の基本方向が示されていましたが、新計画での位置づけについて伺います。さらに、分権を強化していくとともに、さまざまな事象がグローバル化している現在においては、周辺自治体との広域連携もまた重要であると考えますが、広域連携のあり方についての見解を伺います。
 以上で質問を終わりますが、答弁によりまして、再質問させていただきます。以上です。
○阿部孝夫市長 それでは、私から、ただいまの自民党を代表されました浅野議員の御質問にお答えいたします。
 まず、2010プランの検証と評価についてのお尋ねでございますが、2010プランは、21世紀を迎えようとする中で、新たな世紀における川崎市の都市像とそこに至る道筋を示したものであり、それ以降の総合的、計画的な視点からの市政執行の指針として、一定の成果を上げてきたものと考えているところでございます。しかしながら、計画策定の時期を境に、いわゆるバブル経済が崩壊し、それ以降景気低迷が長期化する中、計画事業の実行性を確保することが困難になり、また時代状況や社会環境が大きく変化することによって、計画事業を含めたすべての施策のあり方について根本的な見直しを行う必要が出てまいりました。こうしたことから、2010プランを含めたこれまでの市政執行の方針から転換し、厳しい財政状況の中にあっても市民生活の維持・向上を図ることを目的に、行財政改革プランを策定したわけでございます。
 2010プランは、本格的な高齢社会に向けた福祉社会づくりや、国際化の時代にふさわしい世界に開かれた地域社会づくりなど、その時点における課題に対応した計画でありましたが、基本となる時代認識は、いわゆる右肩上がりの経済成長や人口増加を前提とするものでございました。計画策定以降のさまざまな社会経済環境の変化は、当時ではだれもが想定し得ない極めて大きなものであったと認識しておりますけれども、現実として、根本的な前提条件が大きく転換する中、時代状況の変化への対応が喫緊の課題となっております。
私が市長就任以来、一貫して取り組んでおります行財政改革の断行は、こうした問題認識によるものでありまして、さらに2010プランを含め、これまでの行財政運営から根本的に転換して、「誰もがいきいきと心豊かに暮らせる持続可能な市民都市」に向けて川崎の再生を進めていくための基本方針として、新たな総合計画を策定するものでございます。新たな総合計画は、こうした2010プランの検証を踏まえて、今後予想される急速な環境変化の中にあっても計画の実行性を確保するために、計画期間を2010プランと比べて短期間に設定すること。新規・拡充施策の推進計画としてではなく、すべての施策・事業を対象とする地域経営のプランを目指すこと。また、実行計画については、計画期間内の財政収支の見通しを踏まえながら、施策の具体的な取り組み内容や成果目標を明示し、さらにこれに基づく、計画・実行・評価・改善の仕組みをつくり上げることによって、効果的な施策執行に向けた継続的見直しを行うことなど、新たな考え方を取り入れているところでございます。
 次に、行財政改革プランの今後の展開についてのお尋ねでございますが、私は、平成14年9月に行財政改革プランを策定いたしまして、行政体制の再整備、公共公益施設・都市基盤整備の見直し、市民サービスの再構築の3つを柱に、これまで改革に取り組んでまいりました。この間、計画に掲げた目標を上回る財政的効果を上げるなど、改革プランに沿って着実な成果を上げることができたものと認識いたしております。しかしながら、歳入の根幹であります市税収入が、プランを策定した平成14年度と比較いたしまして、平成16年度予算で100億円近い減収となることや、国の三位一体改革の影響などにより、本市を取り巻く行財政環境は依然として厳しく、かつ先行き不透明な状況にございます。したがいまして、平成17年度以降の行財政改革につきましても、新たな総合計画の構想実現に向けて、実行計画と一体のものとして、限られた財源や資源を最大限活用し、公平で効率的かつ社会経済環境の変化に適切に対応した諸施策の再構築を図るといった観点から、進めるべきものは進め、見直すべきものは徹底して見直すという基本的な考え方に立って、策定作業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、財政計画等についてのお尋ねでございますが、初めに、財政計画につきまして、今回の基本構想素案は、10年程度の市政運営や施策の基本方向にかかわるものでございまして、財政収支見通しについてはお示しをしておりませんけれども、今後の基本構想案の公表とあわせ、それを明らかにしてまいりたいと考えております。現在、本市におきましては、財政計画に基づき、全庁を挙げた行財政改革を実施しているところでございますが、これらの取り組みを着実に進めますとともに、限られた財源を有効に活用するため、工夫を凝らしながら効果的、効率的な事業選択を行うことなどにより、事業を計画する必要があるものと考えているところです。
 次に、財源と優先順位についてでございますが、今回お示ししております基本構想素案では、政策の基本方向とその政策ごとの施策の展開例を掲げておりますけれども、今後、事業効果や優先度を勘案しながら、充当可能な財源との整合性を図ることにより、年度内の策定に向けた取り組みの中で具体的な事業の絞り込みを行い、実行計画や重点戦略プランという形で明らかにしてまいりたいと考えております。
 次に、川崎縦貫高速鉄道線事業についてのお尋ねでございますが、川崎縦貫高速鉄道線は、基幹的な広域交通幹線網の整備を進める中で、本市における縦貫方向の交通機能を強化するための交通軸として重要であると認識いたしております。一方、本市の財政状況は依然厳しく、国における三位一体の改革等の動向が不透明な状況であることは、昨年6月の判断時と変わっていないところでございます。こうした中で、事業再評価におきましては、新総合計画での位置づけが重要な評価視点となってまいります。これらの点や本市の長期的な財政見通し等を総合的に勘案し、実行計画での位置づけを判断してまいりたいと考えております。
 次に、バス輸送サービスの充実についてのお尋ねでございますが、バス輸送は、交通結節点である駅を中心とした公共交通機関のネットワークを形成するものでございます。この中で、市バス事業は、交通不便地域や公共施設への足として大きな役割を果たすとともに、ノンステップバスの導入などバリアフリー対策や利用者サービスの向上策などにも積極的に対応してきております。こうした市バス事業の役割を引き続き果たすため、川崎市バス事業経営問題検討会を設置し、その提言をいただいた上で、コスト削減等による経営改善を推進し、効率的な経営を進めてまいりたいと存じます。また、バリアフリー化や環境に優しいバスの導入を進めるほか、運行情報の提供など利用者サービスの充実を図るとともに、駅前広場の整備などバス走行環境の改善についても引き続き努めてまいります。
 次に、広域交通ネットワークについてのお尋ねでございますが、本市の目指すべき都市構造といたしましては、広域的な観点と市民の身近な活動などをとらえて、「広域調和・地域連携型都市構造」、そういった概念をお示しいたしたところでございます。この中で、広域的な観点からは、市外の隣接する都市拠点との機能の適切な分担と本市の地理的優位性などを踏まえた自立性の高い都市拠点の整備育成が重要であると考えております。あわせて、これを支える広域交通ネットワークとして、新宿、渋谷、品川などの東京都心部の各拠点や立川、八王子などの多摩方面、横浜都心部、さらには羽田空港など隣接拠点との連携を強化し、川崎、小杉、新百合ヶ丘などの市内広域拠点の集客力の向上を図ることが必要なことと考えております。したがいまして、広域交通ネットワークの整備は大変重要な課題であると考えており、本市における基幹的な交通網の整備や民営鉄道の複々線化など、既存鉄道の輸送力増強と利便性の向上など、本市のポテンシャルをより一層高めていくという観点での施策展開を図ってまいりたいと考えております。
 次に、市民協働の新たな自治の仕組みづくりについてのお尋ねでございますが、本格的な地方分権時代を迎える中で、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に向けて、新たな自治の仕組みをつくり、市民本位の行政運営を推進することは、大変重要なことだと考えているところです。現在、検討を進めております自治基本条例におきましても、このような基本的な考え方に立って、市民の市政への積極的な参加と協働によるまちづくりを推進するための制度や、施策の拡充に向けた基本的な枠組みを定めてまいりたいと考えております。また、市民との協働による市民主体のまちづくりを具体的に進めるため、区役所を地域のまちづくりや子育ての総合的な支援拠点として整備していくことや、区における市民活動支援体制を整備していくこと、あるいは市民参加による区行政を推進していくために区民会議を設置するなどの取り組みを着実に推進してまいりたいと考えております。こうした取り組みを進め、市民・議会・行政がそれぞれの役割と責任のもとでお互いを尊重し、協力して、地域の課題解決を図りながら、分権時代にふさわしい協働のまちづくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
○河野和子教育長 教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、教育環境の整備についての御質問でございますが、初めに、新総合計画との整合性についてでございますが、新総合計画及び教育プランの策定に当たりましては、総合企画局と教育委員会事務局が連携し、策定委員会などに相互に参加し、調整を図るとともに、随時協議を行っているところでございます。今後、新総合計画と教育プランの策定に向けましては、施策体系や諸事業の展開など、具体的な部分につきましても、引き続き調整を図ってまいりたいと考えております。
 次に、学校の適正規模・適正配置についてでございますが、学校の適正規模・適正配置の目的は、子どもたちのよりよい教育環境を目指すものであり、その手法としまして、通学区域の変更や学校の統合による方法を検討しているところでございます。現在、通学区域、いわゆる学区につきましては、学校教育法施行令第5条第2項に基づきまして教育委員会が指定することとなっております。通学区域につきましては、教育改革の一環としての学区の自由化や学校選択制度などの議論がございます。教育委員会といたしましては、子どもたちのよりよい教育環境づくりという視点から検討すべき課題として認識しておりますが、まずは保護者や地域の方々の御意見をお聞きすることが大切であると考えております。
 次に、学校施設の活用についてでございますが、学校施設の活用につきましては、地域と共生する開かれた学校づくりが大切なことと認識しております。現在、各学校ごとに学校施設開放運営委員会を設置しまして、図書室、音楽室、体育館などを開放し、市民の自主的な学習・文化・スポーツ活動の振興を図っているところでございます。さらに本年7月からは、土曜日及び夏季・冬季休業中の一部に図書館パートナーを7校の学校図書館に配置しまして、児童生徒や保護者及び地域の方々に対しまして、自由な読書活動や読書指導の場を提供する新たな活用に取り組んできております。また、高津中学校区等で総合型地域スポーツクラブの設立を目指している準備会と連携しまして、地域のスポーツ振興を図るための学校施設の活用について、検討を進めているところでございます。今後は、それぞれの地域にふさわしい新たな管理主体の導入などを検討する中で、児童生徒が使用しない夜間や土日を中心に、学校施設をより一層有効活用してまいりたいと考えております。
 次に、地域に開かれた、魅力あふれる特色ある学校についての御質問でございますが、初めに、教職員の資質向上についてでございますが、かわさき教育プランの中間報告におきましては、教職員の力を伸ばすことを重点施策の一つとしているところでございます。子どもたちが確かな学力を獲得し、豊かな心をはぐくむとともに、毎日の学校生活を楽しく過ごすことができるよう、教職員のライフステージに応じた研修や人事評価制度の導入など、教職員の研修、支援、評価の仕組みを構築し、指導力の向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、評価のあり方についてでございますが、各学校におきましては、子ども、保護者、市民の希望や期待にこたえ、地域課題を踏まえた夢をはぐくむ学校づくりが重要でございます。そのためには、地域に根差し、開かれた学校づくりを目指す学校評価システムを構築することが必要であると思っております。教育委員会といたしましても、今後、各学校におきまして、学校運営のあらゆる場面において、計画―Plan、実践―Do、評価―Check、改善―Actionというマネジメントサイクルを導入しまして、さらに学校の内部評価とともに、学校みずからの情報を公表、公開し、外部からの評価を得ることで、客観性を持った評価を行うことが大切であると考えているところでございます。学校評価システムの構築により、地域や保護者から高い信頼と支持が得られる学校運営が実現できるものと思っております。
 次に、シニア世代の経験を生かす仕組みづくりについての御質問でございますが、シニア世代につきましては、今後20年の間に大幅に増加することが予想されており、シニア世代の方々が高齢者として地域で暮らすことにとどまらず、長年にわたり培ってきた経験、知識や能力を地域社会に十分に発揮することが、地域社会の課題解決やシニア自身の生きがいの創出につながるものと考えております。シニアの方々が地域で生き生きと活動できる仕組みとしまして、平成16年度より、シニア能力地域活用システム構想事業を始めたところでございます。現在、公募された37名の市民の方々が、ワークショップ形式により、シニア世代の豊富な知識と経験を地域の中でどのように生かしていくことができるのか、検討を進めているところでございます。シニア世代の能力を生かす地域活動につきましては、少子高齢化や情報化など、市民の今日的ニーズに対応する多様なシステムを構築することが必要であると考えております。例えば、子育て、配食、IT技術支援などのサービスを、ボランティア、NPO、またはコミュニティービジネスなどの活動として、地域社会に提供することなどが想定されるところでございます。地域におけるさまざまな課題を地域の中で解決するために、シニア世代の能力が大いに発揮される仕組みを構築してまいりたいと考えております。
 次に、世代間交流の推進についての御質問でございますが、都市化の進展に伴い、地域社会における多様な人間関係、世代間の交流が希薄化し、子どもや高齢者が地域社会の中で孤立するような状況が生じてきていることから、地域型コミュニティーの活性化が求められている一方、テーマ型コミュニティーの必要性が高まっているなど、世代間をつなぐ新たな時代にふさわしいコミュニティーの創造が求められております。こうした中、子どもの健全育成や地域の教育課題をテーマに、市民と行政の協働を目指す組織として、中学校区と行政区に地域教育会議が設けられておりまして、また、地域スポーツをテーマとした総合型地域スポーツクラブの創設など、幾つかの取り組みを始めているところでございます。地域教育会議には、学校関係者はもとより、地域の子ども会、町内会、老人クラブ、スポーツ団体等の活動をしている多様な方々が参加して、相互に交流をしております。また、総合型地域スポーツクラブにおきましても、幼児から高齢者までを対象として、スポーツを通し交流しながら、人づくり、まちづくりに取り組んできているところでございます。今後、行政区などにおいて、地域の方々が自主的、自立的に地域教育会議や総合型地域スポーツクラブ等を運営することにより、世代間のコミュニケーションを図る活動が一層活発に展開されるよう、具体的な検討をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
○北條秀衛総合企画局長 総合企画局関係の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、新総合計画の情勢分析と将来推計についての御質問でございますが、各施策分野における情勢分析につきましては、社会経済環境が急速に変化している現状や今後におきましては、市民生活を取り巻くさまざまな分野において、市内統計、国や各調査機関における各種の統計とその解析結果などにより、現在までの動向を的確に把握するとともに、総合計画策定検討委員会における学識経験者などの専門的な御意見を踏まえて、政策分野の情勢分析を行い、これらをもとに施策展開の方向性の検討を行ってまいりました。また、将来推計につきましては、将来人口の予測がさまざまな施策展開の基本的な指標となることから、民間シンクタンクを活用しながら、予測手法や条件の設定について詳細な検討を行い、人口推計を実施しております。推計手法につきましては、国における将来人口推計や他の自治体においても実績のある予測手法を選定した上で、今後の開発動向なども予測に反映するなど、推計の精度を高めるような配慮を行ってきたところでございます。
 次に、行政の説明責任と評価の施策への反映についての御質問でございますが、総合計画の実行性を確保するために、現在、庁内において事務事業評価として取り組んでいる、川崎再生ACTIONシステムを土台として、新たな施策体系に沿った評価システムを構築してまいりたいと考えております。計画・実行・評価・改善という一連の流れの中で課題を発見し、解決を図るチェックの仕組みをまず確立することが重要であると考えております。その中で、専門家を含む評価のあり方につきましても検討してまいりたいと存じます。また、行政の説明責任を果たすための仕組みといたしましては、評価の要点である目標や成果指標等を可能な限り具体的に設定し、評価結果を議会に報告するとともに、市民に公表し、御意見をいただくなど、市民にわかりやすい評価制度の構築を目指してまいります。
 次に、多摩川の総合的な取り組みについての御質問でございますが、多摩川は川崎の母なる川として、古くより人々に多くの恵みを与え続けるとともに、市民に親しまれてきた貴重な環境資源でございます。高度成長期には、都市化の進展に伴い水質の悪化が深刻であった時期もございましたが、下水道の整備などにより、近年、多くのアユが遡上するまでに水質が改善してきております。
現在、多摩川は、市民の憩いの場、活動の場、学習の場として多方面から活用されており、市街地に近接した貴重な自然空間として、また広域避難場所として、市民にとって身近で大きな存在となっていると認識しております。河川法につきましても、当初目的の「治水」から「利水」が加えられ、さらに「環境」が加わり、環境保全や地域の意見を反映した河川整備計画策定の導入などの改正が行われてきております。また、本年4月には、地域再生計画で国の支援措置の一つに河川占用許可の弾力化が示され、新たな施策の展開も期待されるところでございます。さらに、せせらぎ館の完成や多摩川エコミュージアムプランの推進などによりまして、水辺の楽校など、市民を中心とした活動も一層活発に行われております。
 こうした状況を踏まえ、多摩川の豊かな自然環境の保全、活発化する市民活動への対応や運動施設・駐車場などの市民が利用しやすい環境の整備、市街地からのアクセス性の向上、さらには河川管理者である国や流域自治体との連携など、総合的な取り組みを進めていく必要があると考えており、総合計画の中にしっかりと位置づけ、多くの市民が多摩川に親しめる環境づくりを目指したいと考えております。
 次に、区民会議についての御質問でございますが、地域住民の総意に基づく自治を実践する区役所を目指す上で、区民の日常生活における課題などについて、地域に身近な区役所が区民の意向を踏まえて、課題の把握・解決に向けて主体的に取り組むためには、地域を代表する方々が、地域課題の解決に向けてみずから検討する機関が必要であると考えております。この区民会議につきましては、本年5月に取りまとめられました区行政改革検討委員会の報告書におきまして、区民みずからが地域課題の解決に向けて、区政に関する方針、区に関する諸計画、区の予算に関することなど、区における重要事項について審議する場として提言されているところでございます。その設置に向けましては、今後、既存組織である区政推進会議やまちづくり推進組織との関係の整理とともに、職務・権限や構成員等の制度設計について具体的に検討を進め、来年度、試行をスタートさせてまいりたいと考えております。
 次に、各区の地域整備の基本方向についての御質問でございますが、区を中心に身近なまちづくりを進め、地域の課題解決を図ることは大変重要であると考えておりますので、新総合計画におきましては、実行計画の策定段階において、都市計画マスタープランの区別構想の策定に向けた区民提案や、まちづくり推進組織などからいただいた御意見、今後、各区で順次開催を予定しておりますタウンミーティングにおける御意見などを受けとめ、各区における課題に対応する具体的な事業について、優先順位を勘案しながら、関係局区と調整を図り、計画を策定したいと考えております。
 次に、広域連携のあり方についての御質問でございますが、市民の行動圏は、市域を越えて展開するとともに、環境、防災、防犯など、一自治体の取り組みでは十分対応できない課題が数多くございます。今後、広域的に調和のとれたまちづくりに向けて、自動車排ガス規制等の環境問題への関係自治体の連携した取り組みや、交通基盤整備に当たっての広域的視点に基づく事業展開、さらには地震発災時における帰宅困難者対策など、近隣自治体との役割や機能の適切な分担、補完を図りながら、より一層の連携を深め、協調した取り組みを進めてまいります。以上でございます。
○植松 了経済局長 経済局関係の御質問にお答え申し上げます。
 都市農地の多面的な機能の活用についての御質問でございますが、都市農地は、農産物を市民に供給する経済的機能にとどまらず、洪水の防止、水源の涵養、景観の創出、防災空間の提供、生物の多様性の保全など、市民生活に不可欠な環境資源として認識しているところでございます。特に、市街化調整区域、とりわけ麻生区内の農業振興地域は、本市の農業と緑の拠点として大変重要であると考えております。本市といたしましては、何よりも農業従事者の方々の意見や意向を伺いながら、農家の方々が安定的な収入の確保ができるよう、市民ニーズにこたえ、付加価値のある都市型農業経営への転換を支援してまいりたいと考えております。
 具体的には、地元農家を含む多くの市民の方々の理解、協力を得るとともに、緑政部門など庁内関係局との連携強化を図り、農ある風景の保全、農業公園づくりなど農地の保全と活用を連動させながら、直売所の拡充、レクリエーション農園の拡大、農イベントの定期的開催、援農市民の育成と活用など、農業振興地域の活性化施策を進めてまいりたいと考えております。また、次世代が意欲と自信を持って農業経営が引き継げるよう、新世代ファーマー育成事業など、農業後継者育成のための支援策を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○石井二郎環境局長 環境局関係の御質問にお答えを申し上げます。
 初めに、循環型社会の考え方についての御質問でございますが、循環型社会を実現していく上では、市・市民・事業者という各主体の環境への配慮を基本とする責任ある行動が不可欠でございます。この基本構想素案でも、こうした視点に立ち、行政施策の主体としての市の役割、生活行動の主体としての市民の役割、さらには事業活動の主体としての事業者の役割を、それぞれ果たしていくことが重要なことと位置づけているところでございます。その具体的な取り組みについてでございますが、まず行政の視点からは、ごみをつくらない社会の構築とリサイクルの推進に向け、廃棄物の発生・排出抑制、資源物の分別収集の推進、普及啓発事業など具体的な施策とともに、市民、事業者と協働し、持続可能な循環型社会の実現に向けた環境行政の総合的なコーディネーターとしての役割が求められております。また、市民生活の視点からは、循環型社会を常に意識した生活習慣や価値観を築くことが求められており、省エネ型生活行動を初めとするライフスタイルの見直しを行うこと、さらに事業者の視点からは、その活動に伴うエネルギー消費の抑制やリサイクル技術の向上に努めるなど、環境負荷の低減に向けた取り組みを進めることが必要とされております。いずれにいたしましても、こうした取り組みの積み重ねが、循環型社会の実現に向け、要請されているものと考えております。
 次に、緑の創出と育成についての御質問でございますが、都市の緑は、環境の向上、自然生態系の保全、良好な景観形成など、さまざまな機能を有しております。特に本市のように市域の88%が市街化区域という状況にありましては、身近な緑の創出と育成は、豊かで潤いのある環境づくりのために大変重要であると考えております。こうした観点から、特に市街地におきましては、街路樹の植栽や公園緑地の整備など行政による施策のほか、市民・事業者・行政が一体となって、工場の緑化や街角の花壇づくり、さらには屋上緑化や壁面緑化などを推進し、緑豊かなまちづくりに努めてきたところでございます。そうした中で、このたび、都市緑地保全法等の一部を改正する法律によりまして、都市緑地保全法が都市緑地法に改められ、国を挙げて緑の保全と創出を図っていくための体制が整備されたところでございます。同法の改正に伴い、新たに緑化率の最低限度などを定めることができるようになりましたことから、南部地域におきましても、再開発計画等の機会をとらえ、緑化率の引き上げも可能となるものと考えております。あわせて、事業所の緑化地等、民有緑地の保全施策や街角の花壇づくり、庭やベランダの緑化等、身近な緑の創出につきましても、さらなる充実を図ることにより、都市緑化の一層の推進に努めてまいります。以上でございます。
○井野久明健康福祉局長 健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、新たな時代にふさわしい福祉等についての御質問でございますが、新たな時代にふさわしい福祉の理念についてでございますが、社会福祉法の改正により、措置制度から利用者がみずから福祉サービスを選択できるようになったことに伴い、社会福祉の理念として、1つには、個人が尊厳を持ってその人らしい自立した生活が送れるように支えること。2つには、地域住民や社会福祉活動を行う者は互いに協力し、あらゆる分野での活動に参加できるように努めること。3つには、地域の課題については地域みずからが解決する、ということが挙げられます。こうした理念を踏まえ、新たな地域福祉社会のあり方といたしましては、地域が主体となってみずからの課題解決や身近なまちづくりを進めることが重要であり、これまでの行政主導による直接的な福祉サービスの提供から、市民、ボランティア、NPO、企業等及び行政がそれぞれの役割を果たす中で、新たな協働、協調としてのパートナーシップを構築することが求められております。
 次に、自助・共助・公助の基本的な考え方についてでございますが、市民の個人としての尊厳を最大限に尊重し、市民自身や地域コミュニティーなどの小さな単位でできることは、その単位での自助・共助にゆだね、自治体や国などが介入すべきではなく、小さな単位では解決できないものや非効率的なものを公助として自治体や国などの大きな単位で行うべきであるという役割分担を示しております。したがいまして、行政の役割と責任による、公助としてのセーフティーネットとともに、市民みずからの自立や地域の連帯による自助・共助を基本に築かれる、新たな市民主体の地域福祉を進めてまいりたいと考えております。
 次に、福祉社会の構築等についての御質問でございますが、初めに、福祉社会の構築についてでございますが、多様化、複雑化、高度化する福祉ニーズにきめ細かく対応するためには、これまでの行政主導による直接的なサービス提供から、市民みずからが参加する市民活動、ボランティア活動、NPO活動や企業等が、それぞれの役割分担に基づいて福祉活動に積極的に参画する仕組みが必要となっております。また、利用者が必要な福祉サービスを的確に、総合的に利用できるよう、それぞれ福祉サービス供給主体のネットワーク化を図っていくことも重要と考えております。さらに、市民が積極的に地域福祉の担い手となれるよう、地域福祉の情報を収集し、その情報を提供する拠点づくりを支援してまいりたいと考えております。
 次に、自助の領域とシビルミニマムについてでございますが、シビルミニマムは、自治体が市民に対して保障する最低限度の福祉や生活環境基準として使用されてきたものと存じます。自助・共助・公助が担うべき範囲と領域につきましては、それぞれの適切なあり方を、実行計画を進めていく中で、新たなパートナーシップも含め、見定めていきたいと考えております。
 次に、介護予防施策等についての御質問でございますが、初めに、介護予防の施策についてでございますが、高齢者の閉じこもり防止のための、わたしの町のすこやか活動支援事業や、高齢者の筋力を回復する、高齢者パワーリハビリテーション推進事業を中心として、低栄養予防事業やフットケアなど、さまざまな事業を複合的に提供し、効果的な介護予防プログラムの普及推進に努めてまいりたいと存じます。
 次に、地域福祉の担い手の育成・供給についてでございますが、きめ細やかな介護サービスを提供するためには、地域人材の活用や民間活力との協働により、地域の中で支え合いの仕組みをつくり上げるとともに、介護支援専門員、訪問介護員、訪問看護師等の育成及び研修を促進し、サービスの量的、質的な向上を図っていくことが重要であると考えております。とりわけ、痴呆性高齢者が増加する傾向から、痴呆介護実務者研修や、地域のひとり暮らしや虚弱な高齢者を支援するボランティアの養成についても、引き続き充実を図ってまいります。
 次に、痴呆性高齢者グループホームの整備についてでございますが、施設サービスの基盤整備につきましては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの整備に加え、ケアハウスや痴呆性高齢者グループホームなどの居住系サービスの推進、さらには高齢者が住みなれた地域の中で、通い、訪問、泊まり、入居等の多機能なサービスを、状態の変化に応じて利用することができる、いわゆる小規模多機能サービス等の充実を図るとともに、利用者の幅広い選択が可能となるよう、介護サービス全体の中で施策の充実を図ってまいりたいと存じます。痴呆性高齢者グループホームにつきましては、増加傾向にある痴呆性高齢者への対応といたしまして、また地域とのつながりを重視するという観点から、大変重要と考えておりますので、その拡充に努めてまいりたいと存じます。具体的な目標につきましては、新総合計画の基本構想に基づく3カ年の実行計画、さらには平成17年度に策定する、第3期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画で位置づけてまいりたいと存じます。
 次に、介護現場の意見集約とその反映につきましては、これまでも特別養護老人ホームや介護老人保健施設の施設長会のほか、介護支援専門員連絡会、在宅介護支援センター連絡会での意見などを把握し、サービスの充実及び改善に取り組んでまいりました。また、昨年から実施いたしました介護相談員派遣事業においては、介護相談員が介護保険施設を訪問し、利用者と施設、双方の意見を聴取し集約して、サービスの質の向上を図っております。今後とも、各関係団体や介護従事者などの現場の声をいただく機会を可能な限り広く設け、具体的な施策に反映してまいりたいと考えております。
 次に、少子化対策についての御質問でございますが、初めに、安心して子どもを育てる環境づくりについてでございますが、本市におきましては、平成10年にかわさき子ども総合プランを策定し、すべての子どもと家庭を対象とした総合的な子育て支援策の推進を図っているところでございます。また、国におきましては、次代の社会を担う子どもが健やかに育成される環境を形成するため、昨年7月に次世代育成支援対策推進法を制定し、各地方公共団体に行動計画の策定を義務づけております。本市におきましても、現在、かわさき子ども総合プランの実施状況や子育て環境の変化などを踏まえ、行動計画の策定に取り組んでいるところでございます。
 次に、最も重要と考える基本施策についてでございますが、子育ての基本は家庭にあるという認識のもとに、安心して子どもを産み、育て、子育てに喜びが実感できるよう、社会全体で支援することが重要と考えております。
 次に、施策の展開についてでございますが、「安心して子育てできる環境づくり」、「子どもが健やかに育つ環境づくり」、「子どもの育成を支援する体制づくり」を基本に、子育て環境の整備を目指して、新総合計画の実行計画及び次世代育成支援対策行動計画の中に位置づけてまいりたいと存じます。以上でございます。
○脇領成明建設局長 建設局関係の御質問にお答え申し上げます。
 川崎縦貫道路についての御質問でございますが、本市を活力あるまちとするためには、御指摘のとおり、地域の発展の基盤となる社会資本整備として、市内幹線道路網を着実に整備することが極めて重要なことと認識しているところでございます。川崎縦貫道路は、本市の都市構造を支え、あわせて首都圏における広域ネットワークを形成するための重要な幹線道路でございます。
T期区間につきましては、浮島から殿町までの約3.5キロメートルの区間を平成14年4月に供用開始をし、現在、殿町から大師ジャンクションまでの整備に取り組んでいるところでございますが、今後とも事業の着実な推進を図ってまいります。
また、U期計画につきましては、平成4年に計画案を公表して以来、本計画を取り巻く環境が大きく変容してきたことなどから、現在、公表したルート、構造等について、川崎縦貫道路計画調整協議会の場において、見直しの議論をしているところでございます。したがいまして、こうした議論を踏まえ、将来の都市構造の方向性を見定めながら、引き続き重要な政策として新総合計画に位置づけ、推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
○浅野文直議員 すべて答弁いただきました。あえて1点に絞りまして、市長に再度伺いたいと思います。
 財政計画についての答弁では、基本構想案の公表とあわせ、財政収支見通しを明らかにするとのことです。また、川崎縦貫高速鉄道線事業についての答弁では、長期的な財政見通し等を総合的に勘案し、実行計画での位置づけを判断するとのことです。
川崎縦貫高速鉄道線事業は、一事業というには余りにも財政の影響が大きいがゆえに、凍結となっているわけでもあります。しかるに、当事業の判断なくして財政収支計画もあり得ないはずであります。また、答弁でも触れられています当事業の事業再評価においても、新総合計画での位置づけが重要な評価視点とされており、我々自民党にも、国からの厳しい判断基準が連日伝わってきています。川崎市の都市像をイメージさせる象徴的事業であり、判断なくして新総合計画の骨組みはなし得ないとさえ言えます。こうしたことからも、11月の基本構想案提示に合わせた政策判断がしかるべきと考えますが、市長に伺います。
○阿部孝夫市長 川崎縦貫高速鉄道線事業についてのお尋ねでございますが、川崎縦貫高速鉄道線は基幹的な交通軸であり、新総合計画での位置づけも重要であると認識いたしております。しかしながら、整備のためには多額の投資が必要となりますので、現在、さらなる建設費や運営面でのコスト縮減を検討しているところであり、これらの結果や本市財政に与える影響を考慮する必要がございます。また、三位一体の改革の動向もいまだ不透明であり、本市の財政運営も厳しい状況にございます。したがって、これらの動向を見定める必要がありまして、的確な判断をするためには、いましばらくの時間を要するものと考えているところでございます。以上でございます。
○浅野文直議員 意見要望をさせていただきたいと思います。
 川崎縦貫高速鉄道線事業を新総合計画に位置づけるに当たっての難しさ、不確定要素、こういった点は十分理解できます。ただ、今後、短期間で国からの税源移譲があるにしろ、おくれるにしろ、大幅な税収増が見込めない中で、限られた財源を原資として行う本市の行政サービス、都市基盤整備には、川崎縦貫高速鉄道線事業の判断なくして語れないのではないでしょうか。川崎市のこれからの計画を示す以上、スタート段階から不透明、不明確な無責任なものにしてはならないわけであります。また我々は、責任政党として、国とのかかわりの中で、この川崎市の地下鉄事業に対する国の認識が、時間の経過とともに大変厳しいものになってきていることに強い危機感を抱いています。市長を初め市側にも、時のアセス以前に、この新総合計画での位置づけが注視されていること、場合によっては国の方針転換を促しかねないことなどは伝わっているはずであります。市長が率先して取り組んでこられた川崎市行財政改革プランも、スタートから間もなく2年が経過します。変わらぬ厳しい状況ながらも、成果の認められるものもあり、市長なりに何らかの感触はつかんでいることと思います。答弁にある、いましばらくの時間、これがあとわずかしかないことを指摘し、さらに計画案として議会に諮るまでには、当事業の的確な判断とその影響を考慮した上での諸施策の提示を強く要望しておきます。
 また、施策展開における優先順位についてですが、答弁では、これまでの区民提案やさまざまな組織からの意見などと今後のタウンミーティングでの意見などをもとに、重点戦略プランや実行計画という形で示していくとのことです。ということは、行財政改革プランで位置づけられた各事業の優先順位の見直しも一緒に図られるわけであります。行財政改革プランの優先順位の決定に際しては、「唐突過ぎる」、「市民意見が反映されていない」などの声もありました。その後も各事業への陳情などは後を絶ちませんでした。今後10年間のまちづくり、当面3年間の実行計画へ向けて、計画策定を目前に控え、今までのタウンミーティング等とは違って、市民意見の最も大きくなる時期と思われます。今後、順次開催予定のタウンミーティングで多くの市民意見を受けられるように、開催の周知徹底等、今まで以上に幅広く力を入れられるよう強く要望いたします。
 また、バブル崩壊後、行政の施策、サービス提供のあり方等、行政スタイルの変革が叫ばれて久しく、景気動向もようやく明るい兆しが見えてきたばかりです。そうした中、先行して実行してきた行財政改革プランに続き、総合計画が示されることによって、ある意味では、ここからが阿部市政の始まりとも言えます。厳しい時代だからこそ、新たな総合計画に寄せる市民の期待も大きく、立案への責務も大きくなります。我々自民党は、一昨年の骨太の方針の提言を初め、その都度市長に提言をし、警鐘も鳴らしてまいりました。このたびの計画策定についても、新総合計画完成のぎりぎりまで、市民の視点に立って、さらに、将来の子や孫に有益な計画とすべく精査するとともに、提言などを重ねてまいりますことを申し添えまして、質問を終わります。