平成15年9月22日 決算審査特別委員会(企業会計)


○浅野文直委員 おはようございます。私は、平成14年度下水道事業会計について及び平成14年度自動車運送事業会計について、それぞれ一問一答方式にて伺います。
 まず、下水道事業会計について伺いますが、今月16日の定例会見で、市長が、下水道使用料を値上げするとの考えを表明されました。料金改定となれば議会に諮ることとなりますので、その際に慎重に審議させていただきますが、こうしたことについては、先立って、行政側の経営の効率化が進められるべきであります。そうした点から、何点か伺います。
 まず、平成12年の料金改定に伴い図られてきた経営の効率化への取り組みについてであります。当時、さまざまな取り組みによる経費の削減と増収によって、平成12年度から平成14年度までの3年間で、約71億円の節減を図るとされてきました。これまでの取り組み結果について伺います。また、その結果を踏まえて、今後の業務運営の効率化について、財政収支計画をどのように策定されているのか、具体的に示してください。さらに、平成12年度から平成14年度までの経営効率化において、人員減は3年間でわずかに12名にとどまっております。下水道事業に携わる職員数と執行体制についても伺います。
 次に、福祉減免措置について伺います。下水道使用料についても、生活保護者、身体障害者、知的障害者、重複障害者、要介護高齢者及び三宅島からの避難者等に、それぞれ減免措置を行っていますが、近年の長引く不景気の影響も相まって、生活保護世帯の増加などが影響を及ぼしていると思いますが、昨年の実態と5年前とを比較した増加率を伺います。
 次に、雨水整備と老朽管渠の整備計画について伺います。平成14年度時点で、雨水の整備率は50.1%と大都市の中でも低く、宮前区を初め市北部では、毎年あちこちで浸水被害が発生しております。もっと積極的な浸水対策が必要と考えますが、今後の雨水整備について伺います。また、標準耐用年数を過ぎた管渠が毎年増加しており、そのまま放置しておくと、道路の陥没や排水ができなくなるなど、市民生活に重大な影響を及ぼしかねません。老朽管渠の整備も必要であります。今後の整備計画を伺います。
 また、一方では、平成15年度より、下水道法施行令第24条の2において、東京都区部、政令指定都市の公共下水道の汚水に関する下水管渠の維持、更新については、原則として国庫補助対象から除外されるようになっております。本市の厳しい財政状況や、下水道普及率がほぼ100%に近くなり、使用料増収が余り見込めないことなどを考慮しても、補助対象から除外されることは、事業の推進がおくれることを決定的なものとすると同時に、近い将来の本市財政に大きな負担をかけることとなります。市の負担軽減に向け、事業費確保をどのように国へ働きかけているのか伺います。
 次に、下水道料金の改定について伺います。雨水公費、汚水私費、さらに、受益者負担の原則など、資本費算入率を最終的に100%にしていこうという考えには、必ずしも反対するわけではありません。しかし、長引く不景気や、下水道というものが地域独占事業であり、市民に選択の余地のないこと、さらには、行政側の経営効率化の進捗ぐあいなど、近い時期の料金改定については、いかに専門委員からの答申があったにせよ、慎重な議論が必要と考えます。仮に、前回の平成12年度並みに資本費を算入した場合と、資本費算入率を100%にした場合の平均的な一般家庭における下水道使用料はどの程度値上がりするのか、伺います。
 次に、関連して、水道局長に伺います。平成14年度の決算においても、検針、検算、徴収業務の委託費として、業務費負担金として下水道事業から18億878万3,932円が、工業用水道事業から1,384万2,072円が水道局に支出されています。この支出自体は法律にのっとった委託事業費でありますが、水道局から検針、検算、徴収業務の委託を受けているのは民間法人2社であり、長期的にわたり2社が独占的に請け負ってきています。この点について、他社の参入を検討すべきと考えますが、伺います。以上です。
○梶川敏雄建設局長 下水道事業についての御質問でございますが、初めに、平成12年度から平成14年度までの経営の効率化についてでございますが、ポンプ場の点検、整備の見直しによる維持管理の効率化、汚泥焼却灰のセメント原料化等の資源・施設の有効利用、職員配置の見直しによる業務運営の効率化などに取り組んでまいりました。さらに、建設コストの縮減に努めるとともに、建設投資の効率化を図り、計画的な施設整備に取り組んでいるところでございます。このような取り組みの結果、3年間で約80億円の節減が図られたところでございます。
 次に、今後の業務運営の効率化策についてでございますが、平成15年4月1日現在、建設局で下水道事業に携わる職員は456名でございますが、現下の厳しい財政状況の中で、さらなる経営の努力と経費の節減に努めるとともに、緊急性や費用対効果を考慮して事業を進めることはもちろんのこと、今後の下水道事業運営の基盤となる組織執行体制につきましても、職員の適正配置に努め、民間活力の導入を視野に入れて、見直しを進めてまいります。
 次に、生活保護世帯等に対する福祉減免措置の状況についてでございますが、平成14年度の件数は11万2,227件で、金額は合わせて1億3,962万2,817円でございます。また、5年前の平成10年度との比較では、件数で1.45倍、金額で1.81倍の増加となっております。
 次に、雨水整備の取り組みについてでございますが、分流式下水道区域では、市民の生活環境の改善を図ることを目的に、汚水管を先行して整備してきたことから、多くの地域において、雨水排水は道路側溝や既存水路を利用している現状でございます。未整備地域においては、排水能力の不足によるものと見られる浸水被害も発生しており、雨水整備は今後の下水道事業における課題と認識しております。このため、現在、分流区域の雨水整備を推進するため、既存水路の能力調査を行うとともに、浸水頻度の高い地域や排水能力の足りない地域から、順次、雨水整備を進めているところでございます。
 次に、管渠の再整備についてでございますが、平成14年度までに、標準耐用年数を超える管渠延長は約60キロメートルでございますが、そのうち約10キロメートルが再整備済みとなっております。しかしながら、今後、再整備が必要な管渠はさらに増加する傾向にあり、10年後には延長約270キロメートルになる見込みでございます。下水道は健全な市民生活を送るために必要不可欠な都市施設であり、老朽化により機能不全に陥ることのないよう、今後、再整備事業を計画的に実施してまいります。
 次に、財源確保に向けた国への働きかけについてでございますが、本年度示された下水道法施行令において、東京都区部及び政令指定都市の維持、更新に関し、補助事業対象から除外する旨の変更がございましたが、これにより、今後、大都市の下水道事業計画に大きな影響が及ぶことから、東京都及び本市を含む政令市では、年度当初に国土交通省に対して要望行動を実施したところでございまして、今後も積極的に事業費の確保に向け、要望してまいりたいと考えております。
 次に、下水道使用料についての御質問でございますが、下水道事業は、電気事業、水道事業などと同様に、市場競争原理がほとんど働かない事業でございますので、このような事業の料金につきましては、公正妥当なものでなければなりません。そこで、下水道使用料につきましては、個々の使用者の使用実態に応じて、その処理に要した費用に基づいた料金を設定し、使用者間の公平性を図るべきと考えております。
 仮に、平成12年度の下水道使用料改定と同様に、一般排水に係る資本費の算入率を10%引き上げた場合と、算入率を100%にした場合の一般家庭における下水道使用料についてでございますが、平成13年度決算数値に基づき試算した場合、一般排水に係る資本費の算入率を現行の65%から75%に引き上げますと、下水道使用料の平均改定率は約8%となり、一般家庭の1カ月の使用水量を20立方メートルと仮定いたしますと、1,940円程度になります。また、算入率を100%に引き上げますと、下水道使用料の平均改定率は約28%となり、一般家庭の下水道使用料は約2,300円程度になります。以上でございます。
○持田一成水道局長 水道局関係の御質問にお答えします。
 検針、検算、徴収業務の委託についての御質問でございます。検針、検算、徴収業務は、水道事業及び下水道事業の収入の根幹をなす大変重要な業務でありますことから、外部委託に際しましては、受託業者の信頼性、他都市における実績、経験などを総合的に検討し、決定する必要がございます。したがいまして、現在、本市におきましては、業務委託を実施しました当初から継続して2社に委託をいたしておりますが、ただいま申し上げました条件等が備わった業者がおりましたなら、他社の参入も可能と考えているところでございます。以上でございます。
○浅野文直委員 建設局長に再質問させていただきます前に、水道局長に要望をさせていただきたいと思います。
 今、検針、検算、さらには徴収業務―工水は徴収の方はやっていないようですけれども、委託に出している。これは2社、民間法人に出しているわけですけれども、さまざまな、経験不足ですとかその企業の信頼性といいますか、そういったことを取りざたされるということはよくわかるんですが、それを待っていたのでは、次の企業の方々が出てくる、競争原理が働くような状態というのはなかなか生まれてこないんじゃないか。そういうことになりますと、これからも恒久的にそういった業者が委託を受けていきますと、例えば若干名であっても、水道局からいろいろな指導等に人間が出ていく、こういったことを、やはり天下りの対象というふうに見られてもいたし方ない点も出てくるのではないか。例えば横浜なども、検針作業だけを一部の地域へ新たな業者等を入れていくような試みも考えられています。川崎市においても、例えば一地域の検針事業から、または検算事業に向けてのいろいろな勉強もしていただきながら、新たな企業が入っていけるような土壌づくりを―短期的に見れば、市にとっては財政的に必ずしもメリットが出ないかもしれませんけれども、将来的にはそういった競争原理が働くような状況こそ、こういった場所での経費削減にもつながると思いますので、ぜひ御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、建設局長に伺いたいと思います。経営の効率化におきましては、前回につきましては目標もほぼ達成し、これまで計画に沿って進んでいる様子がわかります。ただ、今後の効率化に向けてはいかがなのか、具体的な方策について、再度伺いたいと思います。
 また、下水道普及率が98.2%と、100%近く整備されてきたこの現状で、現在456名の職員体制で下水道事業を進められているわけですが、雨水整備が残っているとはいえ、建設から維持へと主たる事業が変わっていく、こうした中で、抜本的な人員の削減など、将来を見据えた組織体制のあり方を示すべきと考えますが、見解を伺います。
○梶川敏雄建設局長 下水道事業についての御質問でございますが、初めに、今後の効率化に向けての取り組みについてでございますが、維持管理の効率化や建設コストの縮減などに関し、現在策定中の財政収支計画の中で検討を進めているところでございます。
 次に、下水道事業にかかわる職員の配置計画や組織体制のあり方についてでございますが、今後は、老朽化した下水道施設の再整備、再構築や、浸水対策などに積極的に取り組んでいく必要があることから、下水道の組織・執行体制の見直しを検討しているところでございまして、建設部門から管理部門への組織体制の移行や維持管理等の委託化を進める中で、職員数の徹底した見直しを行ってまいります。以上でございます。
○浅野文直委員 新しい財政収支計画を今策定中だということでありますので、もし料金改定等が出てくれば、当然そういったものも一緒に出されるのかと思いますので、見守らせていただきますけれども、この新しい財政収支計画においては、これまでの教訓を生かしつつ、下水道台帳の電算化システムの高度化など、専門委員の答申を生かすことはもちろんのこと、職員数の徹底した見直しを含めた下水道組織改正について、将来のあり方を厳しく見詰めて、お示しをいただきたいと思います。
 今、局長も答弁で、そういった体制については、いま一度厳しく見直していくという御決断をいただいておりますので、そういったことが示されていくのかと思いますけれども、不景気の中で、市民や市内で事業を営む人々に、例えば、前回同様でも1割、100%の資本費算入率によっては3割近い負担増をいただくことになるわけですので、こういった行政側の効率化、また、将来における下水道事業の組織のあり方といったものをしっかりと示していただかなければ、市民の方々にこういったお願いをするわけにはなかなかいきませんので、ぜひ厳しく見直していただいた上で、我々に御提示いただきたいというふうに思います。
 それでは、続きまして、交通局長に伺います。平成13年度の包括外部監査の結果に対する措置が今回の平成14年度の決算にどう影響を与えたのか、伺います。特に、敬老特別乗車証負担金を含めた補助金関係及び給料や退職手当などの人件費関係、さらには、特殊勤務手当の廃止による決算への反映について伺います。
 次に、乗務員の勤務時間における連続乗務時間のあり方とその影響を、現行ダイヤを例に具体的に示してください。また、包括外部監査の指摘に基づき、さまざまな点が改善されてきたことにより、路線別営業係数にどう変化があらわれてきたのか、改善前の平成12年度との比較で、営業係数100以下の路線及び100から120の路線について伺います。さらに、営業係数100から120前後の路線は、民間バス事業者に運行を委託できれば黒字路線となる可能性が多分にあるわけですが、民間委託についての見解を伺います。
○石井二郎交通局長 包括外部監査の指摘事項による影響についての御質問でございますが、平成14年度決算への影響額といたしまして、補助金関係で約5億5,700万円の減、人件費関係では、第3次経営健全化計画による分も含めまして約1億8,300万円の減、このうち、特殊勤務手当の見直しにより約4,100万円の減となっております。
 次に、連続乗務時間の延長効果についての御質問でございますが、連続乗務時間の延長効果といたしましては、営業運行の延長と回送運行の営業化の二通りがございます。現行ダイヤを例にいたしますと、例えば犬蔵線1ダイヤは、営業運行で8時16分に菅生車庫へ入庫しておりますが、連続乗務時間の延長によりまして、入庫せずに聖マリアンナ医科大学・宮前平駅を経由して菅生車庫まで営業運行し、9時8分に入庫することが可能となります。また、小杉線41ダイヤでは、上平間−小杉駅間を営業運行いたしますと、現行の乗務時間を超えてしまいますので、回送で運行しておりますが、連続乗務時間の延長により、営業運行することが可能となる等のことがございます。
 次に、民間委託の考え方等についての御質問でございますが、市バスの路線別営業係数を見ますと、平成12年度と平成14年度を比較いたしまして、営業係数100以下の路線は、平成12年度は4路線、平成14年度は6路線でございました。また、営業係数100から120までの路線につきましては、平成12年度は3路線で、平成14年度は5路線でございました。これは、平成13年度から平成17年度までの5カ年間を計画期間といたします第3次経営健全化計画に取り組み、平成14年度は時間外勤務手当や特殊勤務手当の見直し、ダイヤ改正による乗務員と車両の削減など、経営の効率化を図った結果によるものと考えております。
 市バス路線の民間委託につきましては、包括外部監査におきましても指摘されたところでございますが、まずは第1に、事業の効率的な運営に努めるため、コストの削減等の経営努力を行ってまいりたいと考えております。そうした努力を重ねながら、市民の皆様の足を安定的に確保するという公営バスの役割を今後とも担ってまいりたいと存じております。以上でございます。
○浅野文直委員 包括外部監査の結果、措置されて、補助金で5億5,700万円の減、人件費だけでも1億8,300万円、このうち特殊勤務手当で4,100万円。10ある特殊勤務手当のうち、7つはもう既に廃止されたということで、残った特殊勤務手当を見させていただきますと、確かに、常識的にもあっておかしくないような手当だったのかなというふうに思いますので、それについてとやかく言うことではないんですけれども、こうしたことがこれからもずうっと、一度見直されれば支出が削減されていくわけで、そういった残ったほかの部分に関しても、随時、時を見て見直していただければ、そのときの民間の状況等によって、また見直しがかけられるべきものも当然出てくると思いますので、お願いしたいと思います。
 そうした改善によって、すべての路線について、皆さんの努力があって、当然、若干それぞれ収支が向上してきているわけです。14年度では、川崎病院線とかアクアライン線なんかも入ってくるので、全く同じ状況とは言えないわけですけれども、それでも2路線が、いわゆる黒字路線と言われるような100を切る路線になってきました。100から120までの営業係数を持っている路線が、14年度で5路線だということなんです。局長の答弁では、こういった部分に関しては、さらにコスト削減等の経営努力を行っていくことをまず第一に考えるんだということで、これは当然進めていただかなければならないことであるんですけれども、単に企業会計というだけじゃなくて、やはり公共交通ということを考えますと、こういった営業係数100から120ぐらいの、いわゆる民間のバス事業者に委託すれば黒字化できる、ということは民間業者も請け負うような路線に関しては、早々に引き渡しをかけて、それによってバス事業部隊を縮小しろというのではなくて、逆に民間の事業者が入っていけない、当然赤字になってしまうという交通不便地域の解消に向けた部分に路線を持っていっていただきたい。これはやはり、地下鉄がどうなるのかわからない本市にとっては早々に検討されて、まだまだ多い交通不便地域の解消に向けて、コミュニティーバスですとかワンコインバスといったことも踏まえて、ぜひ検討に移されるべきというふうに考えますので、これはぜひ検討いただけますよう強く要望いたしまして、質問を終わります。