[平成14年 予算審査特別委員会]-[03月12日-03号]-P.230
◆委員(浅野文直)
◆浅野文直 委員 それでは,通告いたしました本市のゼロ・エミッション工業団地について,総合企画局長,経済局長に伺います。なお,ほかの質問項目については事前のやりとりで了解いたしましたので,この1項目の質問となりますので,お隣12番に引き続き,13番も必然と一問一答にてお願いいたします。
本市臨海部の空洞化対策や再編整備について議論をする際には必ずといってよいほどゼロ・エミッション工業団地の事例が示され,本市にとっても臨海部の活性化事業としての目玉としての位置づけとともに,全国でも初の試みとしての事業展開であるために,国内外から大きな注目を集めています。このエコタウン構想の核である川崎区水江町のゼロ・エミッション工業団地では,昨年11月より第1工区の鉄鋼関連企業が操業を開始いたしました。そして,第2工区の異業種企業の操業開始がいよいよ本年6月,目前に控えています。この事業は周知のとおり,国の特殊法人である環境事業団の集団設置建物建設譲渡事業であります。その環境事業団が募った組合員である,いわゆる基盤的技術を有する本市にとっても重要な進出企業の間から,さまざまな疑問や不満の声が耳に届いてまいります。
そこで,本市のみならず全国が注目しているこのゼロ・エミッション工業団地の全面操業を目前にして,幾つか伺います。まず,リエゾン研究会において,ゼロ・エミッション工業団地を含めたエコタウン構想の中で,どのような企業連携やさらなる支援制度のあり方が検討されているのか,総合企画局長に伺います。
これ以降はすべて経済局長に答弁願います。経済基盤が強いとは言えない進出企業がゼロ・エミッション政策に共鳴し,本市の指導のもと,まさにフロンティア・スピリッツの決意で進出したのでありますが,今日に至るまで本市はどのように調整作業や指導を行ってきたのか。また,その際どのような問題点,あるいは課題があったのか具体的にお示しください。また,今まで何度か答弁されてきた環境管理に関する国際標準規格,ISO14000シリーズの認証に向けてはどのように進捗しているのか,伺います。
次に,進出企業への支援策として,事業制度上の優遇措置である事業所税及び特別土地保有税の免除のほかに行っている産業立地促進資金融資制度とものづくり活性化事業補助の実績,さらに操業や経営に関する相談とリサイクル商品の販路開拓事業がどのように実を結んできたのか,あわせて今後にさらなる支援策をとられる用意があるのか,伺います。次に,川崎市が整備を進めているエコタウン会館とはどのようなものなのか,費用等含めて御説明ください。
次に,同規模の工業団地を横浜市において整備した場合に,共有緑地にどの程度面積を割かれるのか,川崎市との比較にてお答えください。次に,道路の権利関係についてであります。この工業団地の開発行為は,環境事業団が買い取る前に所有していた企業が行ったものですが,この中で開発道路の一部に当たる道路を,以前は隣接する企業が年間数千万円の通行料を支払って通行していたという事実があり,現在は開発道路として市に寄贈されたために無償で1日に数百台の車両が通行し,混雑の一因になっているとも仄聞しています。道路を寄贈しなければ必ずしも開発許可がおりないわけではありません。この点について,しかるべき措置や組合員たちの同意を得ておくべきだったと思いますが,どう対応されてきたのか,伺います。
次に,工業団地内での資源循環の具体的取り組み内容を伺います。また,国内で初めてのゼロ・エミッション工業団地として,全国からの熱い注目の中で視察申し込みが殺到していると聞きますが,状況を伺います。以上です。
◎瀧田浩 総合企画局長 リエゾン研究会についての御質問でございますが,リエゾン研究会の今年度の検討目標につきましては,川崎臨海部の再生プログラム策定に向けた基本的な考え方を取りまとめることとなっております。この中では産業の活性化策の柱として,1つとして企業間連携の推進,2つとして産・官・学連携プロジェクトの推進,3つとして研究開発拠点の形成等となってございますが,具体的な支援制度につきましては平成14年度に策定予定となっております実践的なプログラムの中で検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても,臨海部再生プログラムの策定及び国際環境特別区の推進のための調査を行う中で,環境,エネルギー関連の企業連携のあり方とあわせて,中小企業,ベンチャーなどの支援について,個別立地相談や工業団地の建設のほか,ニーズに即応した貸し工場や研究ラボなどの整備の可能性,進出企業に対する資金融資及び助成策の充実を初めとする総合的な支援方策の検討について取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◎君嶋武胤 経済局長 ゼロ・エミッション工業団地についての御質問でございますが,初めに,どのような調整や指導をしてきたか,また,その間,問題点や課題がなかったかという御質問かと存じますが,エコタウン事業の象徴と位置づけているゼロ・エミッション工業団地でありますことから,まず進出企業には環境と調和した生産活動や団地運営をしていただくことを要請し,関係局ともども指導をしてまいりました。また,進出に当たりましては,環境事業団とも協調しながら,企業募集や進出計画,資金計画策定の調整,あるいは協同組合設立の支援などを行ってきたところでございます。この間,景気は低迷状況にございまして,進出企業の受注や資金繰りの問題,譲渡予定の土地価格の問題,進出企業の団地内の区割りの問題,さらには行政上の手続など,関連する多くの問題や課題がございましたが,その都度,議論をしながら解決に努めてきたところでございます。
次に,ゼロ・エミッション工業団地進出企業の方々の環境管理に関する国際標準規格ISO14000シリーズの取得についてでございますが,工業団地進出企業の方々が共通の目標として勉強をしていると伺っているところでございまして,ISO14000シリーズの取得につきましては助成制度がございますので,御活用いただきたいと考えております。
次に,ゼロ・エミッション工業団地に進出企業の方で産業立地促進資金融資制度を御利用になっている企業が2社ございまして,ものづくり活性化事業制度を活用している企業はございません。また,操業や経営,販路開拓についての相談につきましては,産業振興財団の中にございます中小企業サポートセンターで総合的な相談に応じる体制を確立しておりまして,専門家派遣事業も行っておりますので,御活用いただけるようPRをしているところでございます。さらに,ゼロ・エミッション工業団地のエコタウン事業の推進の上からもモデル事業として位置づけておりまして,協同組合等が共同してゼロ・エミッション活動に取り組む場合についての事業助成を予定しているところでございます。
次に,エコタウン会館でございますが,ゼロ・エミッションの原点であります資源の循環促進を図り,環境に優しい工業地域の形成に向けて,地域内で計画されているリサイクルプラントや環境に関する共同研究などの情報の受発信,立地企業間における連携,ゼロ・エミッション工業団地の運営など,エコタウン構想の実現に向けた拠点施設と位置づけております。費用につきましては,環境事業団の制度を活用いたしまして,総費用約1億8,000万円となっております。
次に,緑地面積率についてでございますが,ゼロ・エミッション工業団地は環境アセスメント条例に基づきまして,市の保有する公園部分を含め共通の緑地が約18%,それから企業の敷地内に8.5%の緑地を確保いたしまして,全体で26.5%の緑被が確保されます。横浜市の場合につきましては緑の環境をつくり育てる条例に基づき,敷地面積が1,000平米を超える工場については,市と緑化協議により工場の敷地内に15%,それ以下の工場については10%の緑化を遵守することになっております。
次に,団地内の道路の権利関係でございますが,工業団地の開発は,御指摘のとおり従前の土地の所有企業が実施したものでございます。道路につきましては開発行為により市に帰属することを前提として進められたものでございます。企業に分譲する部分につきましては環境事業団が買収し,工場を建設して長期分割払いでの分譲を行うものでございます。また,この道路につきましては,進出企業の将来の費用負担をできる限り少なくするという考え等から本市に帰属されたものでございまして,市道となった時点でどなたでも使えることになります。進出企業に対しましても,その旨説明し,現時点では理解を得られているものと考えております。
次に,資源循環の取り組みについてでございますが,工業団地内におきましては排出物や廃棄物を可能な限り抑制するとともに,再利用,再資源化を図り,環境負荷の最小化を実現していくことといたしております。具体的には市内から排出される古紙などを製紙工場の原料として使い,そこから排出されるペーパースラッジは焼却され,廃熱エネルギーの循環利用を図るとともに,焼却灰は地域内のセメント工場の原料として再資源化することや,廃プラスチックを製鉄工程での還元材として活用すること,金属くずは鋳物原料として再製品化すること,生ごみはコンポスト化して団地内の緑地の肥料にするほか,下水処理場の処理水を生産工程での循環活用などを進めることといたしております。また,環境負荷の低減を目指しまして,低公害車の積極的導入を進めるため,自社敷地内に天然ガススタンドを設置した企業もございます。
次に,他都市等からの視察についてでございますが,国内はもとより海外からの注目度も高く,全国の自治体を初め大学,研究機関などからの視察申し込みがございまして,海外からの視察は中国やインドネシアからの申し込みがございまして,今年度は2月までに35件の受け入れをしたところで,ゼロ・エミッションに対する関心は相当に高いことはうかがわれます。問い合わせ,照会につきましても,連日,数件寄せられている状況でございます。以上でございます。
◆浅野文直 委員 答弁いただきました点で幾つか再質問させていただきます。答弁された項目について,どのような解決,協議がなされたのか,経過について伺います。さらに,進出企業との間に合意形成がなされているものと判断してよいのか,伺います。またISO14000シリーズ取得に向けて,目標期日を設けるなど具体的に進めていくべきと考えますが,今後の予定について伺います。
また,エコタウン会館についてですが,利用者の意見は反映されているのか。また議会への説明の予定はどのようになるのか。さらに仄聞するところによれば,本市が当初示した計画から予算不足等のため建築計画がかなり縮小されたとのことですが,事実関係について伺います。
また,共有緑地についてですが,横浜市のように工場持ち分を本市のゼロ・エミッション進出企業もふやすことが可能だったのか,伺います。さらに,他都市との違いについて組合員との合意形成がなされているのか,伺います。
また,道路の帰属並びに隣接企業との話し合いに大きな不満があると聞き及んでおりますが,本当に理解を得ているのか,再度伺います。
また,さらなる支援策として街灯の増設など具体的な策を検討されているのか,伺います。以上です。
◎君嶋武胤 経済局長 ゼロ・エミッション工業団地についての御質問でございますが,初めに協議の経過及び進出企業との合意形成についてでございますが,工業団地の建設に向けまして進出企業による定例の建設委員会が設けられ,事業主体でもございます環境事業団とともに本市の担当職員が毎回出席いたしまして,種々の課題について検討及び協議をしてきたところございますので,本市といたしましては進出企業とは合意されているものと判断をいたしております。
次に,ISO14000シリーズ取得についての今後の予定でございますが,進出企業全社が取得することを考えておりまして,本市といたしましても認証取得につきましては計画的に進める必要があることから,継続して支援をしてまいります。
次に,エコタウン会館利用者の意見についてでございますが,エコタウン会館の設計につきましても,協同組合の建設委員会において利用上の使い勝手や建築資材はリサイクル製品を活用することなど検討を進めてきたところでございまして,協同組合の意見は十分に反映されてきたと考えております。また,この会館の取得につきましては,本年6月の議会に取得議案として提出させていただく予定でございます。次に,会館計画についてでございますが,平成11年度の進出企業の区割りの検討に際しまして,市の計画用地が分断され,会館用地として不適との判断から,約20%の用地取得をしないよう計画を変更した経緯はございます。これに伴い,環境事業団は土地所有者からその用地を除いて取得したものでございます。また,取得しなかった用地は当初緑地とする予定でございましたので,土地所有者が緑地として管理することにつきまして,協同組合とも合意がなされたところでございます。
次に,緑地全般についての御質問ですが,共通緑地につきましては各工場の敷地内緑地をふやして,共通緑地を減らす方法も確かに可能ではございましたが,用地の地形上の制約がございましたし,個々の企業敷地に緑地を確保するよりも,一つのまとまった緑地として管理していくことのメリットから,道路と同様に開発行為の協議を進めてきたところでございまして,基本的には理解されているものと考えております。
次に,工業団地の隣接企業との関係についてでございますが,このゼロ・エミッション工業団地につきましては,従前の土地所有企業から造成完了の土地を環境事業団が取得し,工場完成後,協同組合に譲渡する方式に基づき,環境事業団と協同組合において契約がなされたものでございまして,そういう点では理解されていると認識をいたしております。
次に,さらなる支援策についてでございますが,街路灯につきましては道路管理者と開発協議の段階で一定の基準に基づき設置されたものでございますが,今後,防犯上,安全上など問題を整理をいたしまして,引き続き関係局とも協議をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆浅野文直 委員 この事業は国の特殊法人である環境事業団と本市との間で推進される全国初めてのモデルケースともいうべき事業であります。したがって,さきにも述べたとおり,進出企業は一大決心のもと事業所の移転を決めたものであり,当初の説明によっても何らかの優遇措置や期待感もあったのではないかと推察いたします。当然過度な期待感を持つことはないと思いますが,事業計画の進捗に伴い,川崎市の当初の説明や交渉経過の中でさまざまなそごを来してきたのではないか,このように受けとめられるところが多くあるため,進出企業の間から不満の声が出ているのではないかと考えます。
例えば共通緑地についてでありますが,ゼロ・エミッションの目的にかんがみれば,他市に比べて共有緑地の割合が多いことや,地区割り上,各工場敷地内の緑地割合が引き下がることに操業目前まで不満の声が聞こえてくること自体がおかしいわけでありまして,近年のさまざまな情勢に照らしても,緑豊かなごみの出ない工業団地という認識が成り立っていなければなりません。しかし,今の時点で各組合員からそれに対する不平不満が聞こえてきたりしますと,お隣横浜市で同じような工場を持つ場合に,緑地にとられる面積を少なくする,または自分の工場敷地内に土地を持つことが,その企業にとっても対外的にメリットがあると考える企業が出てきてもおかしくないわけでありまして,そうした点で事前に綿密なる話し合いの上で合意形成がなされるべきであったのではないかと考えます。
また,道路の帰属に関する隣接企業の問題でありますが,造成工事までは以前の土地所有企業が行ったわけでありますが,その造成自体,その後環境事業団,ひいては協同組合員である各進出企業への売却に基づいて施工された工事であります。今まで年間数千万円で通行させていた土地を造成工事に伴って開発道路として市に帰属する。道路分の価格が企業占有分の価格に上積みされているのではないか。通行料的権利がなくなっている。さらにその隣接企業の通行が混雑の一因となると考えれば,売買の前に協定を結ぶなり解決しておかなければ複雑な問題として残ってしまうのは当然かと思われます。前にも述べたとおり,開発道路が市に移管されなければ開発許可が必ずしもおりないわけではないことからも,問題をさらに感情的にしていると考えます。
市は売り主企業と環境事業団,協同組合の間をコーディネーター的役割を果たす中で大変苦労されてきたと思います。特に価格の問題では民間企業同士の話ということもあり,多くの労力を要されたことは容易に推察されます。答弁によれば,種々の問題について理解を得ていることのことですが,前述のような疑問,不満の声が一部出ているのは現実であり,そうしたことが本当になければ,私がここでこのような質問をすることもなかったわけであります。完全操業を目の前に残された期間はわずかであります。しかし,本市が積極的に関係者たちとの調整,合意を図られることを強く要望いたします。また,支援策についてですが,リエゾン研究会などの場でもこれから検討されていくのでしょうが,これまで見聞きした感じとして,他の開発行為や工業団地整備との違いといいますか,市の積極性がいまひとつ伝わってこない。街灯一つとってもそうですが,国内外から注目される未来型工業団地にふさわしい支援に向けて,今までの概念から一歩前に踏み出して積極的に考えていただいてもよろしいのではないかと思います。視察の申し込みもすごい数のようでありますし,進出企業の方々が視察に来られた方々に対して,川崎市のゼロ・エミッション工業団地に進出してよかったと言ってもらえるような関係にあってほしいと思います。そして,官民一体となって,川崎ゼロ・エミッション・ブランドを世界に向けて発信していただきたいと考えます。そうしたことを踏まえて,経済局長に改めて考えを伺います。
◎君嶋武胤 経済局長 ゼロ・エミッション工業団地についての御質問ですが,確かに御指摘のとおり,この間,進出企業の入れかわりがあったことですとか,あるいは意見,考え方の相違はあったということですが,その都度議論を重ねて,基本的には合意を得て進めてきたというふうに考えておりますが,さまざまな御指摘もございましたことから,今後につきましても進出企業と十分に協議をいたしまして,合意形成に努めてまいりたいと思っておりますし,全国初のゼロ・エミッション工業団地ということで各界から大変注目度も高いということもございますので,いろいろ御指摘,あるいは御提言もいただきながら,本市といたしましても臨海部の活性化,産業の活性化に大きく貢献できるものとして育てていきたいというふうに考えております。よろしくどうぞお願いいたします。
◆浅野文直 委員 終わります。