[平成14年 第3回定例会]-[09月03日-01号]-P.49
◆13番(浅野文直)
◆13番(浅野文直) 私は,自民党川崎市議団を代表いたしまして,議案第95号,川崎市老人医療費助成条例の一部改正について,代表質疑をさせていただきます。
少子高齢化が叫ばれて久しく,ここ数年の国民医療費の推移は目をみはる増加ぶりです。国においても医療制度改革は,緊急性,重要性ともに最優先改革案件であります。そうした中,本年7月に健康保険法等の一部を改正する法律が成立して,それに伴い,老人保健法も一部改正されました。この法律改正は抜本的改革とは言いがたいものでありますが,当面の医療保険財政の危機を回避するものであり,抜本的改革への先行措置と受けとめられます。
今度の国の法律改正は,急速な高齢化による医療費の増大による医療保険財政の逼迫のみならず,医療保険制度における給付と負担の公平性を確保して,将来にわたって持続可能で安定的な制度としていくために,患者負担の見直し,健康保険料における総報酬制の導入,政管健康保険料の引き上げ,老人医療拠出金の見直し等を内容として,医療制度改革の一端として行ったものであります。そして,今回の老人医療費助成条例の一部改正は,助成対象者が医療機関等で負担する額を老人保健法の対象者と同様とするため,助成の範囲について所要の整備を行うために実施するとのことであります。
そこで,健康福祉局長に伺います。まず初めに,現在の助成対象者数と,今回の改正によって対象者の所得に応じて医療費の負担割合が異なることになるわけですが,その人数について伺います。次に,今回の老人保健法の改正では,外来患者の一部負担金が定率負担へと改正されるため,高額医療費の支給件数が大幅にふえるものと予想されます。そこで,国においては支給申請手続の簡素化が図られることになりましたが,助成対象者についても同様の措置が行われるのか伺います。次に,今回の助成制度改正による本市の影響額並びに国における医療制度改革の今後の動向について,伺います。最後に,市長に,本市の老人医療費助成制度の考え方について伺います。以上です。
○副議長(菅原敬子) 市長。
◎市長(阿部孝夫) それでは私から,ただいまの自民党を代表されました浅野議員の御質問にお答え申し上げます。
川崎市老人医療費助成制度の今後についてのお尋ねでございますが,この助成制度は,老人保健の向上,老人福祉の増進を目的とした高齢者福祉の施策として,国の制度に先駆けて,またそれを上乗せする形で医療費の一部を助成してきた制度でございます。市独自で対応してきましたこの助成制度につきましては,社会環境の変化に合わせて市民サービスのあり方を検討し,施策の再構築が必要との視点に立って,今後の医療制度の抜本改革の方向も見きわめながら,市民や議会,関係団体の皆さんと十分に議論を重ねながら,その制度のあり方について検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長(菅原敬子) 健康福祉局長。
◎健康福祉局長(石野厚) 川崎市老人医療費助成制度についての御質問でございますが,初めに,この助成制度の対象者数につきましては,平成14年7月末現在におきまして3万366人となっております。
次に,所得に応じた負担割合の各区分ごとの対象者でございますが,国では一定以上所得高齢者が10%,一般高齢者が60%,低所得T及びUの高齢者がそれぞれ15%ずつになるものと推計しております。この比率で算定いたしますと,一定以上所得の適用を受ける方は約3,000人,一般は約1万8,000人,低所得T及びUの方はそれぞれ約4,500人ずつとなるものと推計しております。
次に,高額医療費の支給申請手続についてでございますが,初回のみの申請で,次回以降につきましては申請を要さずに高額医療費の支給を行い,老人保健法該当者と同様の措置を講じ,対象者の申請の簡素化を図ることとしております。
次に,今回の制度改正に伴う本市の影響額についてでございますが,平成14年度予算に基づいて推計いたしますと約1億円程度の減額が見込まれているところでございます。
次に,国における医療制度改革の今後の動向でございますが,さきの国会で可決されました健康保険法等の一部改正を内容とした改正法案の附則には,今後,1つには,保険者の統合再編を含む医療保険制度体系のあり方。2つには,新しい高齢者医療制度の創設。3つには,診療報酬体系の見直しに関する基本方針を平成14年度中に策定することなど,各般の課題について改革を進める検討規定が明記されております。現在,国におきましては,医療制度改革推進本部が設置されておりまして,検討が進められているとのことでございます。以上でございます。
○副議長(菅原敬子) 浅野議員。
◆13番(浅野文直) 国においては,破綻しかけている医療制度を将来も安心と安定のもとにあるように,今回の法律改正を皮切りに保険者の統合再編や診療報酬体系の見直しなど,医療制度の抜本的改革が検討されています。本市では財政自体が危機的状況にあり,もし財政再建団体にでもなるようなことがあれば,この老人医療費助成制度もままならないわけであります。国の医療制度改革に劣ることなく,本市の行財政改革を,行政,議会一体となってスピーディーに進めていかなければなりません。
それでは,そうした財政的視点,または市民のニーズ,さらに年齢別医療費の公平性の確保など,詳しい検討を委員会に譲り,質問を終わります。