[平成14年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)]-[12月12日-06号]-P.205

◆委員(浅野文直)

◆浅野文直 委員 私は,3点につきまして,関係局長にお伺いいたします。

 まず,国民健康保険事業特別会計についてであります。未収金及び欠損金について伺います。

 次に,財源構成について,特にそのうちの国庫支出金の調整交付金に関連して幾つか伺います。国保医療費の財源構成は本来の概念では国費5割負担の保険料5割負担であり,地方自治体に負担を負わせるものではないはずですが,現実は,平成13年度決算書に見るとおり,川崎市の場合は国費4割強,保険料は4割弱で,市の一般会計から16.77%に当たる137億円が繰り入れられているわけです。昭和36年の国民皆保険制度の確立以来,なぜ川崎市が一般会計からの繰り入れを強いられているのか,伺います。また,財源構成がこのまま推移した場合に,国が考える医療制度改正が進んでいるであろう平成19年,今から5年後には一般会計繰入金がどの程度になると試算されているのか,伺います。

 次に,財源構成を政令指定都市間で比較すると,どの都市も十数%一般会計から繰り入れをしており,苦しい財政状況は同様と推察されるわけですが,唯一他都市と大きく違うのが調整交付金であります。川崎市,横浜市のみが1%程度なのに対して,本市に類似する九州の方の政令市では12%,113億円が交付されているのを初め,川崎市,横浜市を除く10政令市の調整交付金の平均は8.5%を占め,金額の平均は99億7,000万円が交付されています。一番多く交付を受けている市では261億円もの交付を受けているわけでありますが,なぜこうした違いが生じるのか伺います。

 次に,弗素洗口事業について,まず健康福祉局にお伺いいたします。今現在,県の事業として行われている市内5保育園の経緯と,実施に当たっての問題点や現場の声及び齲蝕率に変化があれば伺います。また,実施園での参加率についても伺います。また,保育園全園で実施した場合,どの程度の予算措置が必要になるのか伺います。そして,川崎市と歯科医師会とで持つ川崎市歯科保健医療福祉推進協議会では,この弗素洗口についてどのように議論されて,市へ意見がなされているのか伺います。

 同じく弗素洗口について教育長にお伺いいたします。小学校では,虫歯を減らすためにどのように対応されているのか伺います。また,歯科校医や養護教諭がいて,さらに子どもの理解力もかなり向上している小学校では,弗素洗口の導入は容易ではないかと考えますが,伺います。また,全校で導入するためにはどの程度予算措置が必要となるのか伺います。

 続きまして,環境局長にドッグランについて伺います。今月2日より,東京都が2カ所の都立公園でオープンしたドッグランの概要,及び都市公園法などとの整合性をどのように図っているのか伺います。また,公園内での犬に関する苦情に対してはどう対応されているのか伺います。私は,ドッグランについては,この4年間で3度目の質問でありますが,ドッグランに対する川崎市のこれまでの検証内容及び低未利用地の利用検討について伺います。以上です。

◎石野厚 健康福祉局長 初めに,国民健康保険についての御質問でございますが,まず平成13年度の現年度分滞納繰越分を合わせた収入未済額でございますが,約99億956万円でございます。また,不納欠損額は約15億9,010万円となっております。

 次に,一般会計繰入金についてでございますが,国民健康保険は他の医療保険制度と比較しまして,高齢者や低所得者を多く抱え,財政基盤が極めて脆弱であるという構造的な問題があるため,一般会計から多額の繰り入れを行うことにより,事業運営をしているのが実情でございます。このような状況の中,本市におきましては,国庫支出金の一つである普通調整交付金が制度発足以来不交付であるということもあって,予算規模の拡大に伴い,年々一般会計繰入金の額が増加しているところでございます。

 次に,一般会計繰入金の今後の見通しについてでございますが,現在,国において抜本的な医療保険制度の改正を検討しており,その改正による影響等,不明確な要素が多いため,確定的な積算は困難ではございますが,被保険者数の増加等に伴う医療費の増加や保険料収納率等を勘案いたしますと,平成19年度におきましては約180億円程度の規模になるものと推計しております。

 次に,調整交付金についてでございますが,調整交付金は保険者間の財政力の不均衡を調整することを目的として,昭和33年度に設けられた制度でございまして,保険者の国保財政における医療費等の支出額の実績と国で定める一定の方法で算出した保険料収入額を比較し,その結果,支出額に比べ収入額が不足する保険者に対しまして,その不足額を公平に補てんすることを目的として交付されるものでございます。御指摘のとおり,各都市間における交付額に大きな格差が生じておりますが,その理由といたしましては,各保険者における年齢構成や所得階層,また,医療供給体制の相違による影響が大きいものと考えられます。

 次に,フッ化物洗口モデル事業についての御質問でございますが,初めに,市内での実施状況等でございますが,平成13年神奈川県から,幼児う蝕予防普及啓発事業の委託を受けた神奈川県歯科医師会の募集に応じて,川崎市歯科医師会がフッ化物洗口モデル事業を立ち上げ,平成13年から3園,平成14年から2園,計5件のモデル保育園で,4歳,5歳児を対象に本事業を実施しているところでございます。保育園現場から,実施に当たっての問題点として,薬剤の保管責任者,あるいは保管場所や保育指導の中での職員の対応策等が挙げられておりますが,本事業の効果につきましては評価されているところでございます。

 次に,実施園での参加率でございますが,大師保育園で92.3%,塚越保育園84.2%,西宿河原保育園95.5%,小田中保育園92%,西高津保育園100%となっております。

 次に,公立保育園全園でこのフッ化物洗口を実施した場合でございますが,薬品代等は年間約300万円ほどでございます。

 次に,川崎市歯科保健・医療・福祉推進協議会からの報告でございますが,弗化物応用は齲蝕予防に極めて有効な方法であるという報告がなされたところでございます。以上でございます。

◎河野和子 教育長 小学校における弗素洗口の導入についての御質問でございますが,初めに,小学校における虫歯を減らすための対応といたしましては,虫歯予防週間の中で,全校児童への呼びかけや歯の磨き方の指導を行ったり,また小学校6年生の保健の授業で学んだりするほか,保健だよりや学校だよりなどを通しまして,保護者の啓発を行っているところでございます。また,学校保健活動の推進のために設置されている学校保健委員会におきましては,児童,教職員,保護者,歯科校医などで協議を行うなど,子どもたちの健康推進へ向けた具体的な取り組みをしているところでございます。

 次に,小学校での弗素洗口の導入につきましては,子どもたちが弗素液を使用する場合には,年齢など個々の成長に合わせた量で使用することになりますので,家庭において個別に対応することが望ましいと考えております。いずれにいたしましても,子どもや保護者がみずから健康づくりに取り組む姿勢を養うことが何より大切でございます。

 次に,全校で導入した場合の経費につきましては,弗素溶液が1人当たり年間370円として,総額で2,350万円ほどかかると思われますが,実施に際しましては,児童の衛生面を考慮しますと,流し場や施設設備の充実も必要となってくるものと思われます。今後,教育委員会といたしましては,学校保健委員会の充実を図っていく中で,虫歯予防,口腔内の健康など,さまざまな課題について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

◎川副有康 環境局長 ドッグランの設置についての御質問でございますが,初めに,東京都で設置したドッグランの概要等についてでございますが,都立公園におきましては,利用者と犬とがともに憩える場として,また,犬を分離しながら憩える場の方策としてドッグランを検討しておりまして,そのための実験的ケースとして,ドッグランを6カ月間仮設置し,検証を行うためのデータを収集するとともに,ホームページ等で都民の御意見を募集していると伺っております。

 仮設置された2カ所のドッグランの概要でございますが,まず,駒沢オリンピック公園につきましては,開園面積約41.3ヘクタールでございまして,スポーツ施設等が多くを占めている公園でございますが,コンクリートの平板が敷きつめられている広場,約1,200平方メートルにドッグラン用のさくを設置したものでございます。また,神代植物公園につきましては,開園面積約47.4ヘクタールでございますが,その大部分は植物園として利用されております。ドッグランは未開園地約3,000平方メートルをさくで囲ったものでございます。今回の仮設置に当たりましては,設置可能な広場があること,住宅までの距離が確保できることなどを考慮し,この2公園を選定したと伺っております。都市公園法との整合性についてでございますが,都市公園法の公園施設の種類として,ドッグラン専用施設そのものは位置づけがなされておりませんが,公園施設としての広場の利用の一形態としてとらえていると伺っております。

 次に,公園における犬に関する苦情への対応についてでございますが,犬に関する苦情につきましては,平成12年度は43件,平成13年度45件の苦情を公園事務所などにおきましていただいているところでございます。その内容といたしましては,犬のふんの処理に関するものや公園内での犬の放し飼いに関するもので,専ら飼い主のマナーに関するものでございます。苦情への対応といたしましては,日中は職員のパトロール時に,放し飼いをしている方々に注意を促しているところでございますが,犬の運動時間帯は,一般的には早朝や日没後に集中しており,所管する公園事務所においても実態がつかみにくいことから,看板を設置し,飼い主のマナーの遵守を呼びかけているところでございます。しかしながら,マナーの向上がなかなか図れませんで,問題の解決には至っていないのが現状でございますので,今後とも関係局と協議しながら,飼い主のマナーの向上に努めてまいりたいと考えております。

 次に,これまでの検証内容及び低未利用地の利用検討についてでございますが,平成12年度におきましては,大都市公園緑地問題協議会におきまして各都市の設置状況等を調査いたしました。また,平成13年度におきましては,神奈川県・横浜市・川崎市公園緑地行政推進会議におきまして研修会を実施いたしました。そして,平成14年度におきましては,神奈川県公園緑地行政連絡協議会の視察研修会や,関東甲信越都市公園担当課長会議においても,議題の一つとして意見交換を行ったところでございます。これらの調査及び会議等の結果からわかりましたことは,公園内にドッグランの設置を計画したり,または着手しておりますのは東京都だけでございました。また,低未利用地の利用についてでございますが,本市におきましても東京都と同様,都市公園法上の公園施設の一つの種類としてドッグラン専用施設の位置づけは難しいものと判断しておりますけれども,都市公園法上の広場の利用の一形態として,既設公園でのドッグランの利用について一定のスペースを確保することは可能かと存じますので,現段階では低未利用地の活用につきましては対象としてはおりません。

 また,公園内の広場を利用したドッグランの利用につきましては,本市の公園の実態から見ますと,1つとして,大規模な公園が比較的少ないこと,それから2つといたしまして,住居が接近している公園が多いこと,3つとして,他都市に比べまして1人当たりの都市公園面積が少ないこと,4つとして,犬の放し飼いやふんの放置に対する苦情が多いこと,5つとして,公園利用者及び近隣住民の理解が得にくいことなど,管理運営上解決しなければならない幾つかの課題がございます。しかしながら,ドッグランは,人と犬が公園という空間を通しましてともに憩うために必要な施設ではないかと考えておりまして,今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。以上でございます。

◆浅野文直 委員 それぞれ答弁をいただきまして,まず初めに2点要望させていただきます。

 1つは弗素洗口について健康福祉局長に。協議会からは,齲蝕防止に極めて有効であるとのことであります。実施園での参加率が90%を超えることから,父母の理解の高さも伺えます。保育園の特殊性を考えると,必ずしも全園実施を望むわけではありませんが,こうした事業が齲蝕防止の啓発に大きく寄与していると思います。今後も協議会を初めさまざまな場所で御議論いただき,少なくとも園児,父母への弗素洗口による齲蝕予防の理解を高めていただけるように,啓発作業に力を入れていただきますよう要望いたします。

 また,ドッグランにつきまして環境局長にお願いいたします。川崎市においては,限られた総合公園の中でスペース確保や近隣の市民との問題など,解決しなければならない点も幾つかあります。ただ,今まで重ねさせていただいた質疑では,都市公園法が見直されなければ設置できないんだというような話でした。しかし,東京都では広場の利用の一形態として設置できたわけです。問題意識の大きさ,工夫次第でできるということを他都市に実証されたことは非常に残念であります。これまで一緒にドッグラン実現を目指して,ともに老人施設等にアニマルセラピーなど慰問していただいた市民の方々には,何と申し開きしていいのかわかりません。

 また,前回の質問に際し,当時の助役が,低未利用地の暫定活用について調査したいとのことであったんですが,今回の答弁では,既設公園でも可能なので,低未利用地の活用は考えていないとのことであります。これは後戻りしたのか前進したのか,ちょっとわかりづらいんですけれども,ただ,私が提唱しているドッグランの利点というのは,犬を好きな人も嫌いな人も公園を安全に清潔に使える,2つに,犬を通した都市生活者同士のコミュニケーションが向上できる,3つ目に,モラルの向上と同時に純血種を好むことが将来的には動物愛護につながるのではないかというようなことでありまして,身近な公園にドッグランが設置される方が効果があると思います。ぜひ早急に川崎版ドッグランが設置できるように御検討をお願いいたします。また,ドッグラン設置をスタートした東京都に変なストップがかからないように,大都市公園緑地問題協議会やさまざまな推進会議等の場で議論いただくと同時に,都市公園法上も堂々とドッグランが設置できるように,法改正へも働きかけていただきたいことを強く要望いたします。

 それでは,改めて2点について再質問させていただきます。

 まず,国民健康保険事業特別会計でありますが,大切な財源問題ということもありまして,助役に改めて伺いたいと思います。制度発足以来,40年以上も普通調整交付金が不交付であったことは大いに疑問とするところでありますけれども,御答弁によりますと,簡単に言いかえると,普通調整交付金は人口構成が若かったり,医療費抑制などで医療費が比較的抑えられていて,それに対して市民の平均年収が高い都市へは支出されないんだという,非常におかしな,不公平感のある国庫支出金であると言えます。高齢化に伴い医療費がすさまじく増加しており,保険料の掛金は伸び悩み,未収金問題もなかなか改善いたしません。試算によれば,このままでは一般会計からの繰り入れがわずか5年で43億円増加の見込みであります。こうした現状,将来を見据え,国に対してはどのように働きかけていくのか伺います。

 続いて,弗素洗口につきまして,教育長に改めて伺います。虫歯予防週間の中での歯磨きや保健だより等での啓発は,私自身も当時受けておりましたし,以前からの対応だと思います。そこからさらに一歩進んで,虫歯を減らすための対策について検討をいただきたいと考えておりまして,その点,弗素洗口は年間1人当たり370円と安く済み,選択制の上,料金は実費を保護者に負担していただく方が,趣旨を考えると適切なのではないかとも思います。施設面につきましても,歯磨きを指導している現状を考えれば,十分にうがいだけに対応することができると思います。答弁の中にありましたとおり,子どもや保護者がみずからの健康づくりに取り組む姿勢を養うことが大切であります。そのために,弗素洗口などを学校から提示してあげることにより,虫歯防止対策とともに啓発の一つにつながると思うわけであります。

 また,弗素洗口は就寝前に行うことが一番効果があると言われており,こうした事業が進めば,各家庭のかかりつけ歯科医院を持つことにつながると考えますが,再度,教育長の考えを伺います。以上です。

◎東山芳孝 助役 国民健康保険の国庫支出金についての御質問でございますけれども,国庫支出金の確保につきましては,国保財政の安定的な運営にとりまして大変重要なものと認識しておりまして,本市独自の国家予算要望を初めとして,あらゆる機会をとらえて国に働きかけているところでございます。

 また,昨年度からは,本市と同様に医療分の普通調整交付金が不交付となっております横浜市と共同いたしまして要望行動を行いますとともに,神奈川県とも連携して積極的に要望しているところでございます。今後におきましても,引き続き国庫支出金の確保におきまして最善の努力をしてまいりたいと存じます。よろしくお願いします。

◎河野和子 教育長 小学校における弗素洗口の導入についての御質問でございますが,子どもや保護者がみずから健康づくりに取り組む姿勢を養うことは大切でございまして,虫歯予防につきましても,学校現場での指導や啓発が効果的なものと考えております。弗素洗口が虫歯予防に有効な方法であることは十分認識しておりますので,今後は学校保健委員会の方々からも御意見を伺い,また,家庭のさまざまな状況を考慮する中で協議,検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆浅野文直 委員 それでは,教育長に弗素洗口について要望いたします。弗素洗口が虫歯予防に有効なことは認識いただいているとのことであります。前向きにぜひ御検討いただきたいと思います。近年の本市小学生の齲蝕率は下がってきているわけでありますが,最近の子どもはあごが小さくなってきているせいなのか,そのほかの歯の疾病異常は倍加して増加しているわけであります。これは,将来の永久歯の虫歯に直接つながっているものであります。ですから,弗素洗口などで丈夫な歯をつくっていくことが大変必要であると考えますので,ぜひ,うがい程度と簡単に考えることでなく,深く御検討いただけるようお願いいたします。

 また,国民健康保険事業特別会計についてでありますが,本市も横浜市と協力しながら,あらゆる機会に国へ働きかけているとのことであります。今,国で進められている医療制度改革では,この議題は全く取り上げておりません。しかし,このおかしな国庫支出金制度を見直させるのは,今をおいてはないと思います。政令市では交付を受けていないのが川崎市と横浜市のみというこの実態を見ても,国での意見が少数なのか,または他都市の抵抗があるやもしれません。私も団を通じて上部組織,国会議員の方々に強く働きかけていく決意でありますので,本市もさらなる要望活動及びすべての政党の協力要請に向けても頑張ってもらいたいと要望いたします。以上で終わります。