[平成13年 第3回定例会]-[06月27日-07号]-P.384
◆13番(浅野文直)
◆13番(浅野文直) 私は事前に通告いたしました質問のうち,代替軽油による汚染物質の削減について行う予定でありました。市が進めるクリーン軽油,軽質軽油ですけれども,市が補助金を出して,それを進めていく方式と,民間によって研究発売されるような代替軽油,これを使用した場合の費用対効果等をここで行わさせていただく予定でしたけれども,民間会社の代替軽油について,実際に生産体制が追いつかない,さらにまた,先日,環境省が発表した代替軽油についての調査結果によれば,排出物質に大変問題がありという結果でありましたので,この問題は取り下げさせていただきまして,今後の研究状況次第によって,また改めて取り上げさせいただきたいと思います。ですから,1点のドッグランの設置についてということのみ,お聞きいたします。
2年前にこの場で質問させていただきましたドッグランについて,改めて伺います。今,人間も生きるのに大変な時代ですので,お犬様の話になりますとどうかと思って──もう2年前のことをちょっと忘れている方もいるかもしれませんので,簡単に定義的なものをお話ししますと,海外の方では大分進んで,設置している国も多いようなんです。公園の中の一部にさくを設けて,いわゆる犬を首ひもなしでオフリードで放せる,そういった,施設というほどのものではありませんけれどもそういう一角,スペースをつくるということなんです。これは実際に放す際にはさまざまな規則があって,きょうはその規則までは言いませんけれども,それこそ発情期の犬は入れないとか,その中でえさはあげないとか,さまざまな状況の中で,大分モラルが海外の方は進んでいるようでして,それを守る方々が多くて,どうも成功している部分があるようなんです。
日本でも一部民間の方や一部の都市でドッグランということを取り上げたり,実際にもう開いている方々もいるわけですけれども,日本でのドッグランについての感覚は,どうも運動場並みの大きな広場といいますか,かなり大きく囲いをつくって,その中で,それこそフリスビーでも何でもできるだけの広さを持ったドッグランを想定されているようです。そのように見受けられるのですけれども,ニューヨークなんかでは数十カ所に,それこそ本当に公園の一部に,散歩がてらに来て,犬を放している間,そこで読書したり,ちょっとするぐらいの,それほど広くない設備が設置されているように,資料ではいただいています。
これは,私流のドッグランのあり方とねらいなんですけれども,感覚としては,各地域にそれほど広くない,犬を通じた社交場といった場所としてあったらどうかなと。それを通じて,次に掲げる3点について,まず効果が出るのではないだろうかと考えております。
1点目は,各地域に設置しようとすれば,どうしても公園が一番適する場所のように思われるんですけれども,現在公園で,犬が放し飼いで困るとか,犬のふん尿の処理に困るという,飼い主のモラルに対する苦情というのは,大分昔から出ているわけですけれども,その公園にあえて設置することによって,犬を好きな人も嫌いな人も公園を安全に清潔に使うことができる,いわゆる公園内での犬の好きな人と嫌いな人のすみ分けができる。ですから当然,犬を放すのはドッグランの中だけということになるわけです。
2点目ですけれども,最近の我々都市生活者は,本当に喧騒なまちの中で日々多忙な生活を送って,近隣の方々とのつき合いも大変薄くなってきている。これは町会への入会率等を見れば,川崎市もそうした傾向が顕著に見受けられるわけでありますけれども,そうした都市生活者がペットに心をいやされるということが,近年のペットブームですとか,またはペットが亡くなったときのペット・ロス症候群といった言葉から,理解できるのではないかなと思います。そのペットの中でも,犬というのは昔からパートナーとして,さらに人間に従順ということもあって,大変需要が高まっています。本市の畜犬登録数も確実に伸びております。登録数は2年前に私がお聞きしたときは,平成10年3万1,601頭,これが平成12年になりますと3万4,399頭,2年間で約3,000頭近くふえております。この頭数から計算すると,本市では15軒に1頭ほどの犬が飼われているように見受けられますけれども,実は,近年,狂犬病が日本において発病していないことや,犬を飼うことが禁止されている共同住宅で飼うなどの理由から,畜犬登録をされない方が大変ふえている。「実際は,この畜犬登録数の約倍ぐらい犬というのはいるのではないか」というふうに言われている説もあります。ある雑誌によれば,今,日本で大体5軒に1頭ぐらいの割合で犬を飼っているのではないか。そういった調査結果を目にしたこともあるんですが,ここまでふえた犬に,人間関係の希薄になった,いわゆる都市生活者同士のコミュニケーション増加のかぎがあるのではないかと考えるわけです。これは犬を散歩させたことのある方なら一度は経験があるのではないかと思うんですけれども,ドッグランを設置することによって,そこに近所の方々が集まってきて,コミュニケーションの機会といいますか,できる場所をわざわざ提供する,このドッグランが橋渡し役として,コミュニケーションを提供するということが,まじめな話,これからの都市行政の義務になってくるのではないかなと。なぜならば,都市における地域コミュニティーの形成という難しい問題に,行政がほかに有効な手を差し伸べることができないといいますか,困難だということから,ドッグランというのは,本当にコミュニケーション増加の一端を担えると考えているわけであります。これが2点目です。
3点目なんですけれども,ドッグランを運営していくには,飼い主のモラルの向上なくてはあり得ません。当初日本ではまだ広まっておりませんから,広まるときは,当然,愛犬家の方々にご協力いただきながら,しばらく規則の徹底や,モラル向上ということを啓発していかなければならないわけでありますけれども,それと同時に,ドッグランの中で愛犬家同士,または本当にただ単に犬を飼っている方々が触れ合って,「その犬かわいいわね」とか,いろいろとやっているうちに,血統種,いわゆる純血種を好む傾向がより一層強くなると思われます。日本人はブランド好きと言われておりますけれども,事,犬のことになると,雑種を容認してしまうという部分が結構ありまして,それは別に雑種がいけないというのではなくて,雑種の方が体が強かったり,頭がよかったりということで,いろいろメリットは当然あるんですけれども,逆に雑種であるから簡単に捨てられてしまうという部分も見受けられます。紳士淑女の国と言われるイギリスなんですけれども,このイギリスでは雑種犬を探す方が難しい。当然,保健所に送られてくる犬も,純血種という血統書つきのような犬が送られてくるわけです。ですから,成犬であってももらい手が見つかりやすい。実際,川崎市の動物愛護センターで行っております動物ふれあい教室で使われている犬も,愛護センターに送られてきた犬の中から,たまたまいた純血種を使っているわけですね。もしこれが雑種であればもらい手もつかない,センターでも動物教室に使わないということで,当然ガス室に送られていくという可能性が大変高いわけです。ですから,3点目は後からついてくる話ですけれども,モラルの向上と同時に,純血種を好むことが将来的に動物愛護につながるのではないかということであります。
こうした点を掲げさせていただいた上で,最近の犬や公園に関する苦情がどの程度あるのか。また,2年前のご答弁では研究するということでありましたけれども,この2年間でどのように研究されてきたのか,環境局長に伺います。
○副議長(菅原敬子) 環境局長。
◎環境局長(山克彦) ドッグランについてのご質問でございます。初めに,公園内での犬についての苦情でございますが,平成12年度は43件の苦情がございました。その内容といたしましては,「飼い主が犬のふんを処理しないため,汚い,臭い」というものが27件,「公園内での犬の放し飼いをやめさせてほしい」というものが16件ございました。苦情のほとんどが飼い主のマナーに関するものでございます。
次に,ドッグランの調査研究についてでございますが,公園内にドッグランの専用施設を設置することにつきましては,国においては,都市公園法の規定における公園施設には該当しない旨の見解が示されております。また,大都市の状況についてでございますが,1つには,ドッグランが都市公園法上の公園施設に当たらないと考えていること,2つには,犬の放し飼いやふんの放置に対する苦情が多く,また,ふん尿等について衛生管理上の問題があり,一般利用者及び近隣住民の理解が得られないこと,3つ目として,一部の愛犬家のみが独占的に利用することが一般利用者から理解が得られないことなどを理由に,大都市におきましては,都市公園内にドッグランを設置をしている事例はございませんでした。ドッグランにつきましては,犬を介したコミュニケーションの場など,公園機能の一つとして挙げられますが,飼い主のマナーの問題,あるいは衛生上の問題など,利用者及び近隣の方々の理解を得ることが難しい状況であり,また法制上の問題もございますので,公園におけるドッグランの設置は大変難しいものと考えております。以上でございます。
○副議長(菅原敬子) 浅野議員。
◆13番(浅野文直) 今,「都市公園法上ではドッグランが公園施設に当たらない」というふうに国が見解を示したということであるんですが,以前,公園をつくるときというのは,緑をふやしてほしいとか,ジャングルジムや滑り台が欲しいという声が多かったんです。近年は,子どもが見えるように木を植えないでほしいとか,広場が欲しいから遊具施設は設置しないでほしいという声が多くなっていまして,公園のあり方も時代によって大変変わり得るという,そういったことなのかなと思います。ですから,一部の都市ではさまざまなそうした障害と向き合いながらも,このドッグランを設置しようと,そういう動きをしている都市もあります。もし川崎市がこのドッグランを必要と考えるならば,そうした都市や同じような問題を抱える大都市と協力して,例えば国へ働きかけて,この都市公園法自体の見直し,こういったことに向けて動くべきと考えます。
また,現在寄せられている苦情なんですが,公園の中における犬だけに関しますと,43件の苦情ということで,いろんな苦情から比べればそれほど多くないのかなと感じますけれども,実は本当にこれはもう毎日起こっている問題でして,犬のことだから言ってもしようがないというような,あきらめかけてしまっているような部分もあって,わざわざ市まで電話してこない。言ったって,犬だからわからないし──ときどき問題になるわけです。実際に散歩している人を後ろから追っかけていって,今したうんこをとれとか,小さい公園で放し飼いにしていますから,犬同士が追いかけ回して,ぱっと道路へ出てひかれてしまったとか,そのうち子どもにもかみついてしまうとか,現実にいろんな問題が,報告されている件数よりもその数十倍,数百倍と実際に起きているわけですね。ですから,この苦情に対して,どのように今後市が対処解決されていくのか,その点もあわせて改めて伺います。
○副議長(菅原敬子) 環境局長。
◎環境局長(山克彦) 都市公園法の見直しと苦情に対する対策についてのご質問でございます。初めに,法の見直しについてでございますが,大都市の状況を見ましても,法制度上の問題のほかに,公園内での犬の放し飼いやふんの処理等,管理上の問題についても本市と同様な認識を持っておりますが,今後,大都市公園緑地問題協議会などを通じまして,議論してまいりたいと考えております。
次に,苦情への対応についてでございます。日中,職員が放し飼いをしている方々に注意を促しているところでございますが,犬の運動時間帯は一般的には早朝や日没後に集中しており,所管する公園事務所においても実態がつかみにくく,飼い主と直接お会いして話をする機会がなかなか持てないことから,公園内での放し飼いの禁止や,ふんの持ち帰り等の看板を設置し,飼い主のマナーの遵守を呼びかけているところでございます。しかしながら,マナーの向上が図れず,問題の解決には至っていないのが現状でございますので,今後とも関係局と協議しながら,飼い主のマナーの向上に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(菅原敬子) 浅野議員。
◆13番(浅野文直) 今,当面,法制度上,公園にドッグランが設置できないという趣旨でありました。また,実際に看板だけでは苦情解決には至らないというご答弁もいただいているわけです。動物の保護及び管理,動物の愛護思想の普及啓発などの見地から考えれば,健康福祉局長か深瀬助役に伺うべきなんでしょうけれども,ここまで私の考えは,ドッグランの設置場所は各地域ということが望ましいということで,都市公園が望ましいと言ってきたわけで,それで環境局長にお伺いしてきたわけです。これは動物の管理面,さらに公園の管理面ということで,局にまたがった問題でありまして,犬の好き嫌いということではなく,公園を安全,清潔に使って,苦情を解決しながら,各地域に設置することにより,一番のねらいである地域コミュニティー形成の橋渡し役にしようと。そうしたねらい,質問の流れから,環境局を担任する木口助役に伺いたいと思います。苦情解決を初め,さまざまな効果から,ドッグランの必要性を認識されるのかどうか。また,そうであれば,法令が整うまでは公園以外の場所へ求めざるを得ないということになるわけですけれども,局をまたがっている問題です。環境局,健康福祉局が協力して,このドッグラン設置へ向けて動くべきと考えますけれども,見解を伺います。
○副議長(菅原敬子) 木口助役。
◆助役(木口榮) ドッグランの設置についてでございますけれども,お話がありましたように,今ペットブームは大変著しいものがあると思っております。特に最近は中型犬,あるいは大型犬を飼う人が増加の傾向にある,このように聞いておるわけでございまして,ドッグラン設置については,今幾つかこの必要性について伺ったわけでございますけれども,そのほかにも犬の運動不足,あるいは精神的なストレスによります第三者との間の不測の事故や,そうしたトラブル等の発生の予防という観点からも必要だろうと思っております。また,アニマルセラピーなど,新たな動物とのかかわり,人間とのかかわり,そういうものが今クローズアップされている状況もあるわけでございますが,半面──実は私も,住んでいる市の里親制度でもらった雑種犬を飼っておりますけれども,公園などに放し飼いをしたり,あるいはふんの後始末をしない,こういう飼い主,言うならば基本的なマナーも守らない人たちもいるわけでございまして,こういう人たちと公園利用者との間でトラブルが発生していると,こんな状況も知っておるわけでございます。そうした状況下にありまして,ドッグランの設置につきましては,先ほど環境局長がご答弁を申し上げましたとおり,公園内での設置については現在法的な問題もございまして,非常に難しいと,こういう状況がございます。
実は昨晩ですが,インターネットで調べてみたところ,千葉県の浦安市や市原市,あるいは東京の練馬区,北海道の千歳市など,その他数多くの市でドッグラン設置に向けた署名活動とか,あるいは動き,あるいは議会での請願を出されている,こんな状況も実は把握をさせていただきました。したがいまして,これらの状況も見合わせながら,本市におきましても関係局が集まって,公園以外の場所でドッグランを設置することが可能かどうか,あるいはそういった場所,一定の規模を有して,しかも,かつ市民の皆さんに理解を得られるような場所があるかどうか。例えば低未利用地の暫定的な活用などもできるかどうか,その辺も含めて,今後,調査をさせていただきたいと思っております。以上でございます。
○副議長(菅原敬子) 浅野議員。
◆13番(浅野文直) 今,インターネットを引いていただいたということで,確かに数多くのところで実際に市が進めようとしていたり,議会の方に請願,陳情が出ていたりということで動きがあるわけです。川崎でも我々が中心になってそういった署名活動をすることもできるわけですけれども,川崎は全国に先駆けていろんな条例もつくっているわけですので,先見的な見方で,ぜひ認識を深めていただきまして,川崎が大都市に先駆けて,こういったものの必要性を本当に認識していただいた上で,これが設置されることを希望いたしまして,質問を終わります。